Empirical analysis of the effects of living conditions and temporary school closure on the cognitive and non-cognitive abilities of elementary school students
Project/Area Number |
22K20137
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0107:Economics, business administration, and related fields
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
浅川 慎介 佐賀大学, 経済学部, 助教 (10962912)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 教育経済学 / 学力格差 / 生活状況 / 非認知能力 / 差の差の分析 / イベントスタディ / 自治体間比較 |
Outline of Research at the Start |
新型コロナの蔓延により、日本では2020年3月2日から小・中学校、高等学校で全国一斉臨時休校(コロナ休校)が実施され、感染状況が深刻な地域では対面授業が同年5月末まで行われなかった。 本研究では「休校前後の学力が比較可能」「高頻度」という分析上の利点をもつ奈良市の算数テスト『学びなら』と非認知能力を尋ねた児童アンケート、およびコロナ休校中の生活状況調査を用いて、休校中の生活状況や学級閉鎖による休校期間の差が、生徒間で学力や非認知能力の格差を拡大させたか否かを検証する。これにより、学力や非認知能力の回復が遅れた児童に対する政策的支援の必要性に関するエビデンスを蓄積することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は本研究課題に関して、新たにディスカッションペーパーを1本作成し、2本の論文が査読後再投稿の状態になっている。
このうち、新しいディスカッションペーパーでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19パンデミック)が奈良市の児童に与えた影響が一般化可能かを検証するため、奈良市より平均的な所得水準が低く、所得格差が大きい尼崎市のデータを用いて、奈良市と類似の枠組みでCOVID-19パンデミックが児童生徒の学力に与えた影響を分析した。具体的には、2018年から2021年までの尼崎市学力・生活状況調査のデータを用いて、COVID-19パンデミックが公立小中学校の小学1年生から中学2年生の数学と国語の学力に及ぼした影響について効果検証を行なった。COVID-19の経験があるコホートとないコホートのコロナ休校から7ヶ月後と19ヶ月後の学力の変化をDID推定を用いて比較したところ、パンデミックによる学業成績への悪影響は、休校から7ヵ月後と19ヵ月後の両方で国語よりも算数の方が顕著であることが分かった。さらに、国語の得点への悪影響は低学年ほど顕著であったが、算数の得点は全学年で一貫して影響を受けたことも分かった。本論文は国際学術誌Review of economics of the householdに投稿し、2度の査読と返答を経て、現在3度目の査読審査中である。
また、昨年度投稿した"Impact of COVID-19 School Closures on the Cognitive and Non-cognitive Skills of Elementary School Students."についても国際学術誌Japanese Economic Reviewに投稿し、1度の査読と返答を経て、現在2度目の査読審査中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題については、合計2本の論文を国際査読誌の査読プロセスに乗せることができたが、要求された追加分析が多かったため、本年度中に公刊には至らなかった。また、尼崎市と比較して奈良市の方が休校からの学力回復が早かったことが明らかとなったが、その理由については現時点では未解明であり、こちらは新たなデータを用いて追加検証が必要である。このように、研究遂行によって新たな課題が生じ、追加の対応が必要となったため、本研究課題はやや遅れていると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の目標は2点である。1点目は現在査読審査中の2本の論文を公刊させることである。2点目は、尼崎市と比較して奈良市の方が休校からの学力回復が早かった理由について、現時点では未解明であるため、①2022年1-3月のオミクロン株蔓延期の学級閉鎖の影響の効果検証、②休校明けのICT端末の使用状況の違いによる学力回復の大きさの効果検証といった2つの研究プロジェクトを通じて、COVID-19パンデミックが児童生徒間に与えた影響の異質性の根源を明らかにすることを目指す。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)