Project/Area Number |
22K20146
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0107:Economics, business administration, and related fields
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
星野 明雄 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (80962026)
|
Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | リスク選好 / 効用関数 / リスク・プレミアム |
Outline of Research at the Start |
・リスク回避的な選好とリスク愛好的な選好の混在を説明するため、リスクの種類を従来の2区分から、3区分(純粋、狭義投機的および射幸リスク)とする再分類を提唱する。 ・アンケート調査により、各区分に属するリスクを回避もしくは追求する金融商品の購買留保価格を調査する。留保価格と期待損益との比較から、購入者のリスク・プレミアムを算出し、これから市場のリスク・プレミアムを推定する。 これに基づき、仮説(純粋リスクには強い回避選好、狭義の投機的リスクには穏やかな回避選好、射幸リスクには強い愛好選好が作用)を検証する。さらに、市場のリスク・プレミアムを指標として、これらのリスク選好の定量化を図る。
|
Outline of Annual Research Achievements |
【当該年度の実績概要】交付申請書に記載の研究目的および研究実施計画に沿って、2023年度に以下のことを実施した。 1.2022年度に調査取得した、個人の金融商品購買選好に関する調査データ(有効回答1000件)を精査し、三種のリスク区分ごとにリスク・プレミアムの算定を行った。これらに基づき、各区分のリスク選好についての仮説(純粋リスクには強い回避選好、狭義の投機的リスクには穏やかな回避選好、射幸リスクには強い愛好選好を想定)を、期待値原理に基づくリスク定量化によって検証し、これらの妥当性を確認した。 2.同じデータに基づき、純粋リスクにおけるリスク回避選考の強さと、投機的リスクにおけるリスク愛好選好の強さの相関を分析した。これらのリスクを定量化して回帰分析を行ったところ、得られた相関はごく小さかった。これらは負の相関があると考えるべき理由があるように思えたため、これに反する結果が得られたことの意味について考察を行っているが、先行研究が少ないこともあり、年度内には理由を理論づけるに至っていない。 3.上記2.の結果が真のリスク性向を表すものであれば、興味深い結果と考えられる。これを確認するため、調査票設計上の問題に起因するバイアスでないかを精査しており、第二回、第三回調査の実施が遅延している。 4.この状況を踏まえ、研究期間を一年延長し、第二回以降の調査の実施及び成果の論文化は、2024年度に延期する。(補助事業期間延長申請済み) 【2024年度の計画】1.調査票のバイアス検証および第二回・第三回調査を実施する。 2.3区分ごとの市場のリスク・プレミアムの推定結果を学会誌に公表する。 3.純粋リスクにおけるリスク回避選考と投機的リスクにおけるリスク愛好選好の相関(無相関に近いと想定)について、その計量結果と原因の分析を実施する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
①上記概要に記載した通り、実施計画において予定していた一連のアンケート調査のうち第一回を実施して得られた有効回答を分析し、期待値原理に基づき、企図したリスク・プレミアムの定量化を得た。 ②この際、純粋リスクにおけるリスク回避選好と投機的リスクにおけるリスク愛好選好の相関を分析したところ、その相関がごく小さかった。このことは意味のある知見と考えるが、直観にそぐわない点があることから、第二回及び第三回の調査に先立ち、調査方法のバイアスをさらに検証することとした。 ③周辺的事情として、IAFFICOの国際会議日本開催における業務の発生が生じ、上記の検討に時間を要することとなった。このことは、反省を要するものと認識し、今後計画策定において類似の問題を生じないよう十分留意する所存である。 この結果進捗状況は、当初計画における想定に対し、ほぼ一年間遅延している。
|
Strategy for Future Research Activity |
①第一回調査の集計・分析に基づくリスク・プレミアムの算定結果を踏まえ、バイアス排除の観点から調査方法の検証を行ったうえで、第二回、第三回調査を実施する。 ②3回の調査を総合し、市場のリスク・プレミアムを指標としたリスク選好の定量化を行い、これまでに得られたリスク選好の追証関係を分析する。 ③併せて、各区分におけるリスク選好の相関関係を分析する。初回調査時には、これらの相関はごく弱い可能性が示されているが、これを多面的に検証する。。 ④結果を報告書にまとめ、学会発表を行い、論文出版を準備する。
|