The Influence of Distributed Leadership on Workplace Retention among ECEC Teachers and Staffs
Project/Area Number |
22K20193
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0108:Sociology and related fields
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Research Institution | Kawaguchi Junior College |
Principal Investigator |
小林 佳美 川口短期大学, こども学科, 特任講師 (80866335)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 分散型リーダーシップ / 変革型リーダーシップ / マルチレベル分析 / 保育のリーダーシップ / 保育者の処遇 / 保育労働 / 職場定着 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、保育者確保のための職場定着という現代的課題の解決に寄与することを目的に、近年、その有効性が指摘される分散型リーダーシップに着目し、他のリーダーシップ理論との差異に関する理論的検討を行った上で、実用的な分析尺度を定位し、保育者等の定着に及ぼす影響を検証する。また、どのような保育施設の、どのような条件下であれば、分散型リーダーシップが有効に機能し得るのかという調整効果の検討を加え、保育者等の職場定着に資する実践的・政策的インプリケーションの導出を目指すものである。なお、実証分析には独自収集データ及びOECD Starting Strong Survey 2018の個票データを用いる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、保育者確保のための職場定着という現代的課題の解決に寄与することを目的に、保育施設における分散型リーダーシップと他のリーダーシップ理論との差異に関する検討を行い、実用的な分析尺度を定位し、保育者等の定着に及ぼす影響を検証する計画である。 2022年度は分散型リーダーシップとの関連が指摘されてきた変革型リーダーシップ(e.g. Halliger 2003; Lethwood et al. 2004)に着目し、文献研究によってその理論的整理を行い、学校や保育施設の経営研究に応用されてきた経緯を明らかにした。具体的には、Burns(1978)によって理論化され、尺度開発が行われた「変革型リーダーシップ」概念が、1990年代後半から2000年代初頭にかけてLeithwoodの研究グループによって北米の学校長による変革型リーダーシップモデルとして学校経営研究に応用された。さらに、イギリスのSiraj-Blatchford & Hallet(2014)によって「保育における効果的でケア的なリーダーシップの実践モデル」として展開された経緯を「変革型リーダーシップ」を軸に整理している。 そのうえで、Siraj-Blatchford & Hallet(2014)に依拠して、園長・所長のリーダーシップ尺度を開発し、独自調査によるデータを活用して日本の保育施設の保育者・職員の組織コミットメントとの関連を明らかにした。その分析結果は、「保育者等の職場定着と園長・所長のリーダーシップの関連――マルチレベルモデルを用いた変革型リーダーシップと給与満足度の交互作用効果の検討」(日本子ども社会学会, 『子ども社会学研究』第29号)で発表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の影響により、研究活動が大きく制約を受けたため、当初の研究計画と対比して、進捗状況はやや遅れていると言わざるを得ないが、論文や書籍、報告書等の文献研究から、分散型リーダーシップ理論と類似のリーダーシップ研究との弁別性の整理に関する情報の収集は、ある程度成果が得られている。また、分散型リーダーシップの測定方法や定量的実証研究が、これまで進展しなかった学問的課題を整理し、新たな分析視角を得ることができた。ここで明らかになった課題を克服するために必要な実地調査のために、保育現場との協力体制の構築に限られた研究時間を投入したことも当初の計画との対比で、進捗がやや遅れた理由に挙げられる。しかし、本年度は続く実証研究に向けての足場を固めることができたことから、今後の研究の見通しを「基盤研究C」として申請し、採択されている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は申請者の独自調査データを活用した分析により保育施設の園長・所長によるリーダーシップ行動が、保育者等の態度変数に及ぼす影響を明らかにしてきた。他方、保育施設におけるリーダーシップの在り様と、保育者等の就労環境や保育実践に対する認識を問う初の国際調査として、OECD Starting Strong Survey 2018が行われており、2020年、及び2021年にその個票データ(サンプリング数:216施設, 1616人)が公開されている。このデータも各保育施設と、そこで働く保育者等を紐づけた二段階抽出法でサンプリングされており、各園におけるリーダーシップの諸特性を問う質問項目が設定されている。 そもそも保育者の定着が求められる背景は保育の供給量拡大のみならず、保育の「質」を保障することが、子どもの権利保障の観点から必要であると指摘されてきたことがある。しかし必ずしも保育者等の定着指標と保育実践の関連が明確に解明されているとは言えない。そこで、2023年度は、このStarting Strong Surveyデータを活用し、保育者等の定着指標が保育実践に及ぼす影響を明らかにしたうえで、園長・所長のリーダーシップ指標の調整効果を明らかにする予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)