学習者の身近に森林があることによる自然への愛着醸成過程の解明
Project/Area Number |
22K20238
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
:Education and related fields
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Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
大塚 啓太 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 研究員 (20963797)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 自然への愛着 / 森林体験 / 環境教育 |
Outline of Research at the Start |
環境教育における森林体験学習は自然への愛着の醸成を狙う場合が多い。ただし、自然への愛着の醸成は短期的な体験学習のみでは完結せず、その後も学習者に森林接触機会があるかでその効果には差が生じ得る。森林体験学習に際し、その効果を高める知見として、学習者の身近に継続的に森林に触れられる場があることの影響を検証する必要がある。そこで、本研究は、学校周辺に身近な森林が存在するようになったことが学習者の自然への愛着の醸成にどう影響するかを検証する。都内・地方大学生を対象に心理測定尺度質問紙を用いた1年間の縦断調査を行い、森林が身近にある大学への移動を契機に、学生のその後の自然への愛着の醸成過程を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的である、森林が身近にある大学へ進学したことを契機とした大学生の自然への愛着の醸成過程を解明するため、本年度は自然への愛着に関連する既往研究の検討を行った。具体的には、既往研究で報告される自然への愛着に関連する心理測定尺度(自然に対する感情反応、自然とのつながり感、自然への愛情といたわり、等)を検討し、調査に用いるのに適切な質問項目を整理、新たな心理測定尺度質問紙を作成した。この質問紙の妥当性を確認するため、異なる専門性を有する有識者2名(心理学・環境学)と協議し、更に、都市・地方大学生を対象にした予備調査を実施することで、自然への愛着を問うのに過不足ない質問項目を決定した。この手続きのうち、予備調査の結果から自然への愛着の構成内容を予察的に考察すると、自然への愛着は「選好性」、「帰属感」、「回復感」、「情動」、「繋がり感」、「畏敬感」、「安全性」、「価値観」、「アイデンティティ」、「貢献の意志」の10の構成因子から成ることが予想された。 これらの質問項目は「自然に対して愛着を感じるか?」という質問への回答傾向と一定程度の相関を示し、既存の心理測定尺度質問紙よりも多角的で詳細に評価することが可能であると考えられる。ただし、予備調査で取得したデータにおける統計解析では、自然への愛着は4因子程度が妥当な構成因子数であることが示されており、次年度以降の調査において構成因子の統計的な確認をおこなう必要があることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究計画のうち、自然への愛着尺度に関する既往研究の検討及び予備調査を実施し、当初の計画どおり進めることができた。ただし、次年度計画する都市・地方大学生を対象の質問紙調査の準備に関して、調査協力先確保がコロナ禍等の影響によって目標達成数の見直しを行った。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に収集・整理した自然への愛着尺度質問紙を用いて、都市・地方大学1年生を対象とした質問紙調査を実施する。この調査は1年間の縦断調査であり、対象者が大学進学した直後の4月、夏季休暇後の9月、冬期休暇後の1月に同様の質問紙調査を実施する。これらを解析することで、都市・地方の居住環境が自然への愛着の差異や変化にどのような影響を与えるかを明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)