Project/Area Number |
22K20294
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
:Education and related fields
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Research Institution | Kyushu Women's University |
Principal Investigator |
押井 那歩 九州女子大学, 人間科学部, 講師 (30963459)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 気候正義(climate justice) / SDGs / 社会系教科 / アメリカ合衆国 / オーストラリア / カナダ |
Outline of Research at the Start |
本研究は, 「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」の達成に向けた資質・能力の育成という教育課題に応えるために,社会系教科(社会科,地理歴史科,公民科)における気候正義教育の学習の方法論について考究する研究である。 アメリカ合衆国とオーストラリアにおける気候正義教育の学習の理論,内容,方法について比較検討することを通して,日本の社会系教科においても応用可能な気候正義教育の学習論を明らかにすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,SDGsの達成に向けた資質・能力を育成するために,社会系教科における気候正義教育の学習の方法論について明らかにすることを目的としている。このために,アメリカ合衆国とオーストラリアにおける気候正義教育の学習の理論,内容,方法について比較分析・検討を行う。 今年度の研究実績は,次の2点である。1点目は,昨年度の研究調査過程で新たに判明したカナダ ブリティッシュ・コロンビア州の気候正義教育プログラムを分析・検討し,カナダの公民教育における気候正義教育プログラムの学習構成を明らかにした点である。カナダの公民教育における気候正義教育の学習では,「気候変動が最も影響を及ぼしているのは貧しい人々や弱い立場にある人々,つまり問題に最も関与していない人であることを示す概念」として「気候正義」概念を習得させ,社会のシステムを変えるための基準として活用させることを企図していることが明らかになった。また,この概念に基づく学習が「概念獲得」「『気候正義』の観点からの社会事象の分析的探究」「社会システムの変革への課題と方法の理解」という大きく三つの学習内容から構成されることを明らかにした。この研究については,第33回日本公民教育学会全国研究大会にて発表している。また,令和6年度中に論文化する予定である。 2点目は,昨年度に引き続き,アメリカにおける気候正義教育の学習プログラム策定の動向について文献調査・資料収集を実施したことである。今後,現地調査を敢行するために必要な情報等については蓄積が概ね完了したと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記のように進捗状況を判断した理由は,令和5年度中に海外現地調査を実施できなかったためである。この点については,令和6年度中に現地調査を敢行することにより補填する。 令和4年度からの継続的な文献調査・資料収集により,北米地域を中心とする気候正義教育の動向に関する基礎的資料は充実しつつある。今後は,これらの資料に基づいて具体的な調査計画の立案・実施を行いたい。そのために,アメリカを対象地域として研究を実施している研究者に専門的知見の提供を依頼する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では,当初アメリカとオーストラリアという2カ国の比較・分析を計画していた。しかし,これまでの研究成果に基づくと,気候正義教育の学習論を見出すためには北米地域に焦点を当てて研究を実施することがより適切であると考える。今後の展開としては,オーストラリアを対象とする文献調査・資料収集を継続しつつ,カナダ・アメリカにより力を入れて研究調査を実施していく予定である。 上記を踏まえ,令和6年度は以下の2点を実行する。1点目は,アメリカを中心に現地調査を敢行し,気候正義教育プログラムの開発・実施に関するデータを収集することである。具体的には,アメリカ カリフォルニア州における学習プログラムの策定状況を調査し,学習の基盤となる理論や具体的方法について明らかにしていく。 2点目は,令和5年度に引き続き,これまでに収集した基礎資料を分析・検討し,研究成果を公開していくことである。令和5年度は,カナダの公民教育における気候正義教育の学習内容構成について分析・検討し成果を公開した。今年度は,アメリカにおける気候正義教育プログラムの分析・検討を中心的に行い,成果を公開していく。
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