Project/Area Number |
22K20316
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0110:Psychology and related fields
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
分寺 杏介 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (40962957)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 多肢強制選択型 / 回答時間 / 適応型テスト / 解答時間 |
Outline of Research at the Start |
心理学をはじめとする諸分野では、リッカート尺度に代表される心理尺度を用いた測定を行うことが多い。これまで先行研究では、心理測定の弱点を克服する・可能性を拡げるために様々な改善策が提案されてきた。 本研究では、それらの改善策のうち「多肢強制選択型」「回答時間の利用」「適応型テスト」の3点を統合した測定法の実現に向けた理論的基盤の検討とともに、その妥当性・有効性をシミュレーションおよび実データを通して検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,回答時間を利用した強制選択型心理測定を行う上での実用上の課題の検証のため,データ収集実験を実施した。 本実験では,多肢強制選択型の最もシンプルな形式として,2つの文を提示して「より強く当てはまるもの」を回答する一対比較型に着目した。研究代表者が過去に収集したデータと同じ項目を利用し,回答フォーマットの違い(一対比較型とリッカート型)および回答方法の違い(キーボードとマウス)が項目情報量や回答時間に及ぼす影響を検討することを主目的とした。分析の結果からは,従来のリッカート型と比べて一対比較型では項目情報量が小さくなること,一問あたりの回答時間はリッカート型のほうが短いこと,回答方法の違いは項目情報量にほぼ影響が無いことが示された。項目情報量の減少および回答時間の増大は,回答が2つの文の要因により決定されることが原因と考えられ,強制選択型の尺度すべてに共通する課題といえる。以上の結果の一部は,日本計算機統計学会第37回大会での発表を予定している。 また,同じデータを用いて項目の提示順がパラメータの推定値に及ぼす影響を検討している。本研究で使用しているThurstonian IRTモデルでは,回答者は一つ一つの文に対して独立した選好を持っていることを仮定しているが,複数の文から比較判断を行う強制選択型では,最初に提示される文の評価がアンカーとなり,別の項目の評価に影響を及ぼす可能性が考えられる。そこで,同一の文が一番目に提示された場合と二番目に提示された場合に異なるパラメータ推定値が得られるかをベイズモデリングによって検討する。本分析の結果は,2023年度中の学会での報告のため現在分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来の研究計画では,回答時間を考慮した項目情報量の導出など,理論的な側面の研究を進める予定であったが,本年度は主に実用上の側面に関する検証的な分析を主に行ったため。 回答時間の有無にかかわらず,強制選択型の適応型測定の実用化には様々な実用上の課題が残されており,これらを検証することは,まず強制選択型の適応型測定の実施基盤の安定化のために重要と考えている。しかし当初の研究実施計画の通りには進めていないことから「やや遅れている」と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は引き続き,様々な要因が項目情報量に与える影響を検証するための実証研究を行っていく予定である。 合わせて,適応型測定を行うためのシステムの整備を行い,実際に適応型測定実験を行うことを計画している。
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