Project/Area Number |
22K20401
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0301:Mechanics of materials, production engineering, design engineering, fluid engineering, thermal engineering, mechanical dynamics, robotics, aerospace engineering, marine and maritime engineering, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
栗生 識 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (90966318)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | マイクロ流体デバイス / 誘電泳動 / 細胞 / 前立腺がん / 前立腺がん細胞 / 単一細胞操作 / BioMEMS |
Outline of Research at the Start |
がん患者の生存率向上には、早期発見が極めて重要である。がんの早期発見研究の発展には、がん発生時におけるがん細胞、および周囲の正常細胞の遺伝子情報を解析することが必要である。本研究では、「がん発生時環境模擬・解析デバイス」の開発を目指す。具体的には、細胞の並列・個別制御を可能とするシリコン集積回路技術と流体の高精度操作を可能とするマイクロ流体技術を融合することで、ただ一つのがん細胞を上皮細胞群の中に配置し、培養する。その後、分泌物や細胞を回収し、遺伝子解析することで、がん発生時から成長過程における遺伝子的な特徴を評価する。
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Outline of Annual Research Achievements |
前立腺癌発生時における腫瘍微小環境模擬を目的として、前立腺がん細胞と前立腺正常上皮細胞を単一細胞レベルで配列・培養可能なマイクロ流体デバイス開発を行なってきた。デバイスは、細胞を流すための流路、細胞を誘電泳動により捕獲するためのウェルアレイ(各well直径20μm)から構成される。これまで、誘電泳動によりウェルアレイ上で細胞を捕獲することに成功した。一方で、捕獲した細胞を培養することに課題があった。 そこで、本年度は誘電泳動で捕捉した細胞を培養する手法・デバイスの開発に取り組んだ。誘電泳動により細胞を捕捉する局面では、導電性が20 mS/m程度と低いバッファを使用する必要があるが、細胞を培養する局面では培養液を流路に導入する必要がある。しかし、培養液の導電性は非常に高いため、送液中に誘電泳動が働かなくなってしまい細胞が剥離するという問題が発生した。そこで、液置換の問題を克服するための手法やデバイス開発を行なった。具体的には、①デバイス内部の流路で細胞を捕捉→②デバイスの天井を解放し、デバイスの天地を逆転→③誘電泳動をoffにして、細胞を培養液が入った別の容器に落下、という手順である。この手順を実現するため、流路天井を誘電泳動時は密閉、移送時は開放可能なデバイスを開発した。開発したデバイスを用い、誘電泳動で捕捉した細胞の重力による移送を試みたところ、半数以上の細胞を培養液中へ移送することができた。一方で、前立腺がん細胞と前立腺正常上皮細胞の共培養という点においては、培養液の種類が異なるため両細胞種を培養することが難しかった。今後、培養手法の対策を行うことが必要である。研究期間を通じ、単一細胞レベルで細胞を配列し培養するという技術を開発することに成功した。
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