規則性マクロポーラス酸化物担体を用いた固体高分子形燃料電池の高耐久・高性能化
Project/Area Number |
22K20482
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0401:Materials engineering, chemical engineering, and related fields
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平野 知之 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (40963674)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 固体高分子形燃料電池 / 酸化物 / マクロポーラス微粒子 / エアロゾルプロセス / 細孔制御 / 耐久性 / 火炎法 / カソード |
Outline of Research at the Start |
燃料電池技術のさらなる普及のために,固体高分子形燃料電池(PEFC)の性能および耐久性の向上が求められている。特に,高電位における耐久性向上のために,カーボンの代替材料として金属酸化物担体の開発が検討されており,カーボンに匹敵するガス拡散性と発電性能の付与が課題となっている。本研究では,化学工学・微粒子工学の学理に基づき,金属酸化物担体微粒子と触媒層の規則的なマクロポーラス化および,その3次元構造解析を行う。特に,燃料電池デバイス中でもその構造が維持可能な,高い機械的安定性を有する規則性マクロポーラス微粒子・膜を作製し,高活性かつ高耐久性を有する次世代型のPEFC用電極触媒の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度である2022年度は,高活性かつ高耐久性を有する次世代型の固体高分子形燃料電池(PEFC)用電極触媒の開発に向けて,火炎法を用いた酸化物触媒担体の(1)高比表面積化と(2)マクロポーラス化の検討を行った。 (1)酸化物触媒担体の高比表面積化:酸化物ナノ粒子をPEFC用触媒担体に使用するためには,ネットワーク構造を維持しながら高比表面積を有することが求められる。本研究では,燃焼条件(燃料種,酸化剤割合,発熱量など)を調整することにより,酸化物ナノ粒子の凝集度と比表面積の制御を行った。火炎合成における燃焼エンタルピー密度を4.87 kJ/g-gasとすることにより,ネットワーク構造を有しつつ高比表面積を有する酸化物ナノ粒子が得られた。また,得られた酸化物ナノ粒子を触媒担体に用いて,単セルにより発電性能評価を実施し,既存のカーボンとの比較を実施した。発電性能はカーボンに及ばないものの,酸化物への触媒担持量を調整することで活性を示すことを明らかにした。
(2)酸化物触媒担体のマクロポーラス化:市販のTiO2ナノ粒子をモデル材料として,火炎法を用いたマクロポーラス粒子の合成を試みた。造孔剤にはポリメタクリル酸メチル(PMMA; 400 nm)を使用した。また,PMMAの急速な反応を防ぎ,十分な自己組織化を誘発するために,火炎の発熱量を減少させて合成実験を行った。また独自に開発した火炎合成プロセスにより,火炎と粒子との直接接触を防いだ。PMMA濃度,粒子捕集位置,火炎内滞留時間を調整することで,粒子内に規則的にマクロ孔を有するマクロポーラスTiO2粒子が得られた。マクロポーラス粒子を構成するTiO2ナノ粒子は焼結しており,強固な骨格を形成していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
原料として使用する酸化物ナノ粒子および,目的とする構造を有したマクロポーラス粒子を得たため。酸化物ナノ粒子に関して,詳細な構造解析と電気化学特性を明らかにできた。マクロポーラス粒子に関して,簡易的な機械的強度評価によって,その安定性が示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,高い機械的安定性を有するマクロポーラス酸化物触媒担体を合成し,粒子特性評価に加えて,電池性能を評価する。また,引き続き,固体高分子形燃料電池に適する酸化物触媒担体の探索も行う。具体的には, (1)酸化物の高温焼成を行い,ナノ粒子間のネッキングと1次粒子径の制御を行う。ネッキング構造・1次粒子径・マクロ孔容量が電気化学特性に与える影響を,粉末の導電性評価とセル評価にて明らかにする。 (2)貴金属担持などにより,酸化物担体の導電性向上を行う。カーボンに匹敵する電子伝導性を酸化物担体に付与するために,火炎法を利用して貴金属を担持し,マクロポーラス粒子内に導電パスを形成させる。合成した担体の粒子構造を詳細に解析することに加え,電気化学的アプローチにより活性を評価する。 (3)噴霧乾燥により,酸化物触媒担体の構造化を行う。様々な造孔剤を用いて酸化物担体にマクロ孔を付与し,その機械的安定性と発電性能を評価する。合成したマクロポーラス粒子は,3D-TEMやFIB-SEMを用いて3次元解析を行い,細孔の連通構造・屈曲度などの評価を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)