電荷移動錯体保護層導入による高発光ペロブスカイト量子ドット創出と多積層型 LED開発
Project/Area Number |
22K20525
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0501:Physical chemistry, functional solid state chemistry, organic chemistry, polymers, organic materials, biomolecular chemistry, and related fields
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
江部 日南子 山形大学, 理学部, 助教 (90962762)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | ペロブスカイトナノ結晶 / 電荷移動錯体 / 発光デバイス / ペロブスカイト |
Outline of Research at the Start |
優れた光・電子物性を有するペロブスカイトナノ結晶は、次世代発光デバイス材料として注目されている。一方、ペロブスカイトナノ結晶は、極性溶媒中やデバイス駆動時において、イオン脱離を容易に引き起こし、デバイス耐久寿命が非常に低いことが課題である。また、表面配位子により溶媒耐性が非常に低く、多積層化デバイスへの応用が困難である。本研究では、優れた電荷輸送性を有する電荷移動錯体をペロブスカイトナノ結晶の保護層として導入し、高性能ペロブスカイトLEDを開発する。また、電荷移動錯体の分子間架橋構造の形成により、ペロブスカイトナノ結晶膜の耐溶媒性を向上し、多積層型ペロブスカイトナノ結晶膜を創出する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ハロゲン化鉛ペロブスカイト結晶は、ハロゲン組成制御により簡便に光物性を制御することができ、高い発光量子収率および色純度を有することから次世代の発光デバイス (LED) 材料として期待されている。また、ペロブスカイト半導体は、有機スペーサーの導入により、量子閉じ込め効果をもつ低次元構造を形成し、バルク結晶に比べ優れた発光量子収率を得ることができる。低次元ペロブスカイトナノ結晶の有機スペーサーは、低次元構造の形成や表面の欠陥補填、材料安定化などの役割を担う。また、低い励起子準位をもつ有機スペーサーの導入により、有機スペーサー-ペロブスカイトナノ結晶間の効率的なエネルギー移動を発現することが期待できる。しかしながら、有機スペーサーのエネルギー準位を制御するためには、剛直かつ立体障害の大きな有機分子を用いる必要がある。これらのスペーサーは、ペロブスカイトナノ結晶の結晶格子の歪みを引き起こすため、ペロブスカイトとの複合化が困難である。我々は、電子ドナー分子および電子アクセプター分子から構成される分子間電荷移動錯体を新規有機スペーサーとして導入を試みた。分子間電荷移動錯体は、分子内電荷移動錯体分子に比べ、比較的立体障害が低く、分子選択により容易にエネルギー準位を制御することができる。初年度は、電荷移動錯体-ペロブスカイト複合化膜の創出と光物性解析を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々は、シンプルな溶液プロセスを用いて、均一かつ緻密な電荷移動錯体-ペロブスカイト複合化膜の開発に成功した。電荷移動錯体-ペロブスカイト複合化膜は、スピンコート法により作製を試みた。また、スピンコート過程で貧溶媒の2-プロパノールを滴下することにより結晶形成を促進させた。X線構造解析の結果より、電荷移動錯体および低次元ペロブスカイトナノ結晶の解析ピークを確認し、走査型電子顕微鏡観察より均一化かつ緻密な膜形態を観察した。また、紫外-可視吸収スペクトルより、電荷移動錯体に由来する特性吸収スペクトルを示した。さらに、電荷移動錯体を導入したペロブスカイトナノ結晶は、ペロブスカイトに由来する蛍光強度が著しく減少し、それに伴い蛍光寿命の短寿命化を示した。ペロブスカイトナノ結晶の非活性化の要因として、より低いエネルギー準位の電荷移動錯体へのエネルギー移動が生じたことが考えられる。以上より、電荷移動錯体-ペロブスカイト複合化膜の開発と膜物性評価を計画通り進めることができたため、「概ね順調に進展している。」と結論付けた。
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Strategy for Future Research Activity |
電荷移動錯体-ペロブスカイト間のエネルギー移動機構を解明するため、電荷移動錯体-ペロブスカイトナノ結晶間の距離および励起子準位の依存性を検証する。材料間距離は、ペロブスカイトナノ結晶膜中の電荷移動錯体の添加量と光物性依存性を、蛍光スペクトルおよび蛍光寿命、過渡吸収スペクトルにより検証を行う。また、ペロブスカイトナノ結晶および電荷移動錯体の励起子準位のエネルギー差とエネルギー移動効率の依存性を検証する。さらに、ペロブスカイトナノ結晶のワニエ励起子準位と電荷移動錯体のフレンケル励起子を共鳴させ、ハイブリッド励起子状態の形成を目指す。以上、電荷移動錯体-ペロブスカイト複合化膜のエネルギー移動機構の解明により、新規エネルギー変換材料の創出を目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)