Project/Area Number |
22K20564
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0601:Agricultural chemistry and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横山 文秋 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特別研究員 (90962647)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2023-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | バイオフィルム / 微小環境 / 細胞外マトリクス / アクティブマター / トポロジカル欠陥 |
Outline of Research at the Start |
細菌集団を細胞の立場で眺めると、同じ集団の一員といえども一細胞を取り巻く微小環境は一様ではない。そのような異なる微小環境が及ぼす細胞表現型への影響とその集団形成との関係性は明らかになっていない。本研究では、周囲の細胞によって力学的ストレスが生じる点であるトポロジカル欠陥という物理学の知見を取り入れ、微小環境と集団形成の関係性を紐解く。二次元集団内の細胞挙動を観察し、同時に、細胞集団を強固にし、力学的ストレスに誘導される細胞外マトリクスの分布を可視化する。両画像の重ね合わせから、二次元集団内の細胞衝突が与える力学的ストレスによる細胞突出、その周囲でのマトリクス生産誘導が見出されることを期待する。
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Outline of Annual Research Achievements |
1. 細菌集団を観察するための培養デバイスの作製。大腸菌集団の観察のために、寒天パッド下で、寒天の乾燥を防ぎながら細菌を培養するデバイスを3Dプリンタを用いて作製した。細菌層を二次元的に閉じ込めるための寒天パッドの硬さを厚さを調整した。 2. 顕微鏡画像から細胞の配向情報の抽出。集団が立体化する箇所を観察するために、焦点面ごとに画像を取得できる共焦点顕微鏡を用いた。取得した明視野顕微鏡画像から、細胞の配向情報を得るために構造テンソル法によって解析した。細菌二次元集団において細胞の配向情報を得ることができた。 3. 観察の対象とする細胞外マトリクスの変更。当初の計画では、大腸菌の代表的なマトリクスの一つである Curli というタンパク質を研究対象としていた。Curli の生産が誘導されるのは、飢餓条件下である。この飢餓培養下では細菌は細胞分裂を2回ほどで止めてしまい、顕微鏡視野を細胞が埋め尽くし、トポロジカル欠陥において遺伝子発現に十分な力学的ストレスを起こすほどの細胞生育は期待できないように見られた。そこで、研究開始直後にアップロードされたプレプリントを参考に、著者らに連絡を取り、力学的ストレスによって誘導される細胞外マトリクスの遺伝子に対するレポーター株を手に入れた。現在はこの株を用いて、細胞配向による力学的ストレスと集団内の不均一なマトリクス発現について調べている。 4. Curli 生産株の培養環境。上記の一方で Curli 生産細胞をウェル型の小さな空間に閉じ込めることで、少ない細胞分裂回数でも細胞同士が押し合っている培養条件を見出すことにも成功している。今後は上記のコラン酸を対象とした解析を進める一方で、Curli に関しても飢餓や細胞衝突といった細胞へのストレスがある条件下でのマトリクス生産誘導の研究を進めていく予定である。
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