Project/Area Number |
22K20604
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0604:Agricultural economics and rural sociology, agricultural engineering, and related fields
|
Research Institution | Japan International Research Center for Agricultural Sciences |
Principal Investigator |
尾崎 諒介 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 社会科学領域, 任期付研究員 (80965244)
|
Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | 開発途上地域 / 消費行動 / 心理会計 / 所得変動要因 / 消費支出 / 所得 / アフリカ / 栄養 / 小規模農家 |
Outline of Research at the Start |
サブサハラアフリカにおける農業生産性向上は貧困削減および栄養不良問題の解決に向けて極めて重要である。一方で、農業生産性向上が所得増加をもたらし、栄養改善に繋がるというシナリオは必ずしも自明ではない。 本研究では、農業所得変化の理由には天候など外因的要素と技術採用など農家の意思決定に基づく要素があること、そして開発途上地域の小規模農家は一般的に所得源を複数持つことに着目する。マダガスカル農村を対象に、稲作所得変化の要因間および世帯の所得源間の比較を行い、特に栄養改善に寄与する財への支出に与える影響が異なるかを検証する。その結果により農家世帯の厚生および栄養改善に効果的に対処する方法を考察する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
開発途上地域において、貧困や栄養不良状態の人々の厚生および栄養改善に効果的に対処するための方法を考察するため、農家の消費行動の変化を所得の変動要因の観点から分析し、特に栄養状態改善に寄与する消費財への支出に影響を及ぼし易い所得源の存在を検証することが本研究の目的である。 2023年2月にマダガスカル中央高地に渡航し、稲作農家を対象に家計調査を実施した。農業生産および他の所得源に関する情報と消費行動、主食作物かつ現金所得の主要源であるコメの生産が変動した場合の消費行動への影響に関する仮想的な質問を行った。コメの自家消費量に対する年間生産量の過不足の状態に基づいて対象家計を3つのグループに分け、収穫量が一定程度(30%)増加または減少した場合の収穫物の使い途の変化を整理した。自家消費ストック量、販売量、種子用保存量において、増収、減収ともにグループごとに異なる影響を持つ可能性が示唆された。さらに収穫物の販売した場合に得られる現金の使い途についても整理し、増収時と減収時で財によって影響を受ける程度が異なることも示唆された。 調査後、得られたデータと対象世帯を同じくする既存パネルデータとの統合作業を行った。合計5年間の所得源の整理と農業生産・各所得の額・消費内容の経時的変化を捉える計量分析用のデータセットを構築し、今後の分析作業の準備を進めた。今後、聞き取りの結果と実際の生産・消費データとの整合性を確認して仮想的な質問の有効性を検証し、かつ所得変化と消費変化の関係を解明するための仮説構築に役立てる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り海外渡航および現地調査を実施した。今年度の調査データと同世帯の過去4年間の生産・所得・消費データの統合、データクリーニング作業を進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
上述の仮想シナリオに基づく消費行動の変化を過去データと照合したうえで整合性を検証すること、また、その変化の仕方が行動経済学における心理会計理論によって説明し得るかが今後の分析の主な課題である。さらに他の所得源の変化についてもコメ生産と同様の影響をもたらすかについて、分析を進めていく計画である。計量分析後、現地で追加調査を行い質的な補完情報の収集を試みる。
|