形質膜におけるリン脂質の非対称性の形成と崩壊に関する解析
Project/Area Number |
22K20634
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0701:Biology at molecular to cellular levels, and related fields
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小野 由美子 九州大学, 理学研究院, 助教 (40968442)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 形質膜 / 脂質 / 輸送 / 生体膜 / 非対称 / 上皮細胞 / 極性 |
Outline of Research at the Start |
細胞を包む一枚の脂質二重層は、内層と外層で異なる脂質組成を有する。さらに上皮細胞では、頂端側の形質膜にスフィンゴミエリンが豊富に存在し、微絨毛の形成に関与している。しかしながら、これらの脂質の非対称性分布の形成機構と極性を持った脂質の分布機構の関連は明らかになっていない。本研究では、形質膜の非対称性分布がどのように確立されているのかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
細胞を包む一枚の脂質二重層は、内層と外層で異なる脂質組成を有する。さらに上皮細胞においては、上皮細胞極性と呼ばれる、密着結合構造を境にした頂端側と基底側の形質膜では異なるタンパク質が偏在していることが知られる。つまり、上皮細胞の形質膜は、(1)脂質二重層の内層と外層、(2)頂端側と基底側という2軸性の性質をもつ形質膜である。 これまで生化学的手法を用いた解析によって、スフィンゴ脂質や特定のタンパク質を豊富に含む小胞が頂端膜へ選択的に輸送されることが示されている。このことから、Golgi体で頂端側の成分を豊富に含む小胞が形成され、頂端側の形質膜へ選択的に小胞輸送された結果、上皮細胞極性を形成していると解釈されている。 しかしながら、Golgi体から形質膜への詳細な脂質の局在や解析はなされていない。本研究課題では、上皮細胞をモデルとし、非対称な形質膜成分の分布がどのように確立されているのか、またその破綻がどのような生理現象の引き金となるかを明らかにすることを目的とし、選別輸送の分子基盤の解明に取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Golgi体における脂質の挙動に関して、以前に報告した独自の脂質プローブ、及び、追加で作成した脂質プローブによって局在の検討を行った。その結果、Golgi体と選別輸送小胞での脂質プローブの局在に有意な差が確認された。これらの脂質クラスが選別輸送の分子基盤として機能するかについて、引き続き検討を進めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
見出した脂質が選別輸送小胞の形成に関与するのかについて検証を行う。具体的には、細胞内での脂質の生合成を阻害した場合の極性輸送へ影響があるか、検討を行う。また、各小胞に局在する脂質分子を網羅的に同定する方法についても検討を進める。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)