Project/Area Number |
22K20668
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0703:Biology at organismal to population levels and anthropology, and related fields
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
細木 拓也 国立遺伝学研究所, ゲノム・進化研究系, 特任研究員 (80965773)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2023-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 種分化 / 交雑 / 生殖隔離 |
Outline of Research at the Start |
種はどのようにして分かれ、維持されるのか? 種分化の初期段階では、異なる環境への生態的な適応を介して生殖隔離が進化する。一方、 完成した種間では、内因的な不和合が普遍的にみられる。では、その2つの要因は、種分化の完成にどれほど寄与しているのだろうか。本課題ではトゲウオ科魚類イトヨ属を用いて、分岐自然選択と内因的不和合の強度を操作した野外種分化実験系を立ち上げ、完全な生殖隔離の獲得に至るための駆動要因を解明する。加えて、詳細なフィールド調査によってその整合性を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
種分化の過程では、常に二種の分化が拡大する方向に進化が進むとは限らない。交雑は二種の遺伝構成を均一化し、それまでに進行した分化を逆行させる。近 年、いったん交雑しても、ゲノムが混合したままではなく、二つの遺伝的に異なる集団に再度分離する可能性が指摘されている。本課題では、交雑後の「完全に 均一化するか、それとも再分離するか」という対比的な帰結を生み出す要因を明らかにするために、2011年東北震災が誘発したイトヨとニホンイトヨ間の交雑を 材料に、交雑後も遺伝的分化が維持される機構を追究した。第一に、淡水と汽水といった対比的な野外環境下で雑種と純系種を飼育し、生存率を指標とした網羅 的なゲノムスクリーニングを行った。第二に、交雑初期からの長期モニタリングや、複数の雑種集団を対象した広域調査によって得た標本を用いて集団遺伝解析 を行い、雑種の適応度低下の原因変異が除去されるとともに、次の世代ではその領域での再分離が進んでいるか検証した。第三に、この震災後の進化を追試する ための野外実験系も構築した。本実験系は15トンのタンク内に淡水から汽水までの環境勾配を設定したものである。現在、複数のトゲウオ種を入れて繁殖を促 し、進化実験のための条件検討を進めているところである。
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