転移性去勢感受性前立腺癌の分子生物学的解析に基づくプレシジョン医療の実現
Project/Area Number |
22K20789
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0901:Oncology and related fields
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
住吉 崇幸 京都大学, 医学研究科, 助教 (30846100)
|
Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | 前立腺癌 / プレシジョン医療 / ゲノム解析 / トランプスクリプトーム解析 / ホルモン感受性前立腺癌 |
Outline of Research at the Start |
転移性去勢感受性前立腺癌(metastatic castration sensitive prostate cancer; mCSPC)に対する治療はアンドロゲン除去療法(androgen deprivation therapy; ADT)にアンドロゲン受容体阻害剤(androgen receptor pathway inhibitors; ARPIs)やドセタキセルを組み合わせて行われる。mCSPC に対して使用可能な薬剤が増え治療形態が複雑になっている中、患者毎に最適な治療法を選択できる指標を開発することが喫緊の課題である。本研究ではmCSPC におけるプレシジョン医療の実現のため、腫瘍組織や血液を用いてゲノムおよびトランスクリプトーム解析を行い、薬剤の治療効果と関連のある分子生物学的特徴を明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
大規模前向きコホート研究に登録されたmCSPC 症例の検体採取を対象としてDNAとRNAを抽出した。生検組織解析(2022-2023 年度)診断用検体の中で腫瘍占拠率やGleason score が最も高いものとペアの研究用検体からDNA とRNA を抽出し、それぞれエクソン/RNA シーケンスを行った。診断時の新鮮な前立腺生検サンプル80個と、前立腺肥大症患者の正常な前立腺組織 17 個から RNA を抽出し、新規技術であるロングリードシークエンス技術を用いて決定された配列データであるRNA-seq データは定量的トランスクリプトーム分析のために SPLICE パイプライン (PLoS Genet 2022) によって分析したところ、mCSPC患者検体と非癌患者検体との間に、DNAレベルの差異は持たないが、RNAレベルでの差異がある遺伝子を同定した。また、それらの遺伝子の転写産物は去勢抵抗化に関与していることを見出した。 別の解析では本研究に登録されたmHSPC患者203例から採取した生検組織のうち、57サンプルからDNAを、34サンプルからRNAを抽出した。全サンプルがエクソンシーケンスに求められるクオリティ(DIN≧7)を満たしていた。34サンプルまで変異またはコピー数の解析を行い、変異は主にSPOP、FOXA1、CDK12などに認められ、コピー数異常もNKX3-1やRB1の欠失、MYC増幅など、前立腺癌の特徴を反映していた。MSH2のコピー数が著明に低下していたサンプルでは約1000個の変異が認められ、ミスマッチ修復遺伝子異常の特徴を示していた。RNAシーケンスは約90%のサンプルで問題なく施行することができた。遺伝子発現のパターンは3種類に分類され、そのうち1つのグループは他2つのグループと比べてアンドロゲン依存性が低く、生存期間が短い傾向を示した。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)