Project/Area Number |
22K20876
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0902:General internal medicine and related fields
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
水口 賢史 北海道大学, 医学研究院, 特任助教 (30962154)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 大動脈弁狭窄症 / 心音 / 人工知能 |
Outline of Research at the Start |
大動脈弁狭窄症(AS)は心不全症状を発症してからの平均生存期間は約2年と言われ、決して予後の良い疾患とは言えない。しかしながら、ASの有病率から計算した推定罹患人数と、実際の弁置換術の施行件数には大きな差が認められ、高度ASの診断を適切に受けていない、あるいは受けているにも関わらず、適切な治療を受けられていない可能性がある。この原因の一つに、ASの診断には心エコーを必須とし、特に僻地や離島において、実施可能な施設が限られることにある。本研究の目的は、心電計付き電子聴診器から得られる聴診所見を人工知能(AI)を用いた解析を行い、心エコーと同等のAS診断能を持つAI診断システムを開発する事である。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究開始から現在までの症例登録数は101例であり、心臓超音波検査と心電図付き電子聴診器を用いた聴診所見の同時記録を継続している。研究開始時点では大動脈弁狭窄症(AS)の重症度の最終判定(主に超音波専門医による診断)と聴診所見の最終診断の比較を行う予定であったが、初年度では一心拍毎の比較を行えることを発見した。また、1回の計測を15秒間から30秒間へ拡大することにより、サンプル数のオーグメンテーションを可能とした。本年度では症例登録数を伸ばすことに主眼を置きつつ、AS重症度判定のためのプログラム作成を行っている。具体的には、高性能ワークステーション上での実装を第一目標としてPython言語とSwift言語を用いてプログラム開発を進めている。特に処理スピードの速いSwift言語での実装を重要と考え、進めている。また、ASの重症度はnone/trivial, mild, moderate, severeの4段階であり、分類問題としてプログラムを作成していたが、出力としてそれぞれの判定確率をパーセント表記で出力することとなり、実臨床では使用しにくいと考えられた。そのため、平均圧格差を予測する回帰問題での解決を目指しており、平均圧格差40mmHgと推定された場合、重症であると判定できるような、Regression modelの作成を行っている。今のところの推定精度としては分類と回帰の出力精度はおおむね同等であることがわかっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在の症例登録数は101例であり、昨年と比較して50例以上の登録が可能であった。当院での年間の重症大動脈弁狭窄症の患者数は60名程度であることから、実現可能最大数の80%以上の症例登録数であり、やや遅れているとした。 また、プログラム作成に至っては、2年目でスマートフォンに対応したプログラムの開発を予定していたものの、一心拍毎に重症度評価を行うプロトコールに変更しており、本年度の時点でワークステーション上でのプログラム開発を進行中である。この点も遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
解析できるサンプル数については多ければ多いほど望ましいため、症例登録については引き続き行っており、本年度同様に80%以上の症例登録を目指す。また、情報収集の精度、具体的には除外とならないように静かな環境での録音が必須であり、今までは病棟での聴診を行っていたが、カテーテル検査後のリカバリー室や心エコー室での聴診など、環境整備についても行っていく予定である。プログラム開発については、引き続き行うとともに、機械学習の手法そのものの進捗に遅れることのないよう、積極的に視野を広げて情報収集に臨む。
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