ヒト臨床応用に向けたネフロンと腎間質も含めた腎臓再生法の確立
Project/Area Number |
22K20898
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0902:General internal medicine and related fields
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
齊藤 弥積 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (10966451)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 腎臓再生 / 胎生臓器補完法 / 腎間質 / 前駆細胞 / キメラ / iPS細胞 |
Outline of Research at the Start |
我々はヒトの腎前駆細胞を動物の胎仔腎臓に移植し作成した再生腎芽を用いた腎臓再生法を開発した(胎生臓器補完法)。この再生腎芽をホストに移植することで移植細胞に由来した尿産生能を持つネフロンの再生に成功した。しかし、エリスロポエチンやレニンなどの腎内分泌能を司る腎間質は異種の動物胎仔の細胞から構成されていた。異種動物の腎内分泌がヒトに作用できないことや、異種の腎間質領域が拒絶反応の標的となることは、今後の臨床応用に向けて大きな課題であり、ヒトの内分泌能を持つ腎間質も含めた腎再生が求められる。そこで、本研究では胎生臓器補完法を用いた腎間質の再生、並びにネフロンと腎間質の同時再生を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
慢性腎臓病(Chronic kidney disease:CKD)に対する新しい治療法として再生医療が注目されている。申請者らは、ヒトの腎前駆細胞をブタ等の動物の胎仔腎臓(後腎)に移植して再生腎芽を作成し、動物胎仔の腎発生機構を移植した腎前駆細胞に働かせることで、新規に腎臓を再生する方法を開発した(胎生臓器補完法)。この再生腎芽をホストに移植することで、移植細胞に由来した尿産生能を持つネフロンの再生が可能であった。しかし、エリスロポエチン(Erythropoietin: EPO)産生細胞やレニン産生細胞などの腎内分泌能を司る腎間質は動物胎仔の細胞から構成されていた。将来的な臨床応用の際に臓器再生の足場として想定しているブタのEPOやレニンはヒトをはじめとした霊長類に作用できないことが知られており、ヒトの腎内分泌能を有する腎間質を持った腎臓の再生が必要となる。また、ネフロンの単一系譜の再生だけでなく、ネフロンと腎間質の両領域を同時に再生することで異種組織が少なく移植細胞率の高いキメラ腎臓の生成が可能となり、臨床応用に大きな障壁となる異種組織に対する強力な拒絶反応を低減することができる。したがって、本研究では胎生臓器補完法を用いた腎間質の再生、並びにネフロンと腎間質の同時再生を目指す。さらに動物の胎仔臓器を足場として利用する本研究は、動物胎仔臓器を用いた他の臓器再生への応用も期待される。ネフロン前駆細胞と間質前駆細胞を同時に除去できる遺伝子改変マウス(Six2/Foxd1-DTAマウス)の作成に成功し、in vitroで前駆細胞の除去を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ネフロン前駆細胞と間質前駆細胞を同時に除去できる遺伝子改変マウス(Six2/Foxd1-DTAマウス)の前駆細胞除去は確認可能であったため、今後さらにネフロン前駆細胞と間質前駆細胞を注入し、ネフロンと腎間質の同時再生が可能かを検証している。
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Strategy for Future Research Activity |
ネフロンと腎間質前駆細胞除去効率はあまり高くないため、新規自殺システムを搭載したマウスによるネフロン前駆細胞と腎間質前駆細胞の除去マウスの作成(Six2/Foxd1-iCaspaseマウス)にも取り組み、より良い再生腎臓の生成を目指す。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)