Project/Area Number |
22K20900
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0902:General internal medicine and related fields
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
下田 博美 愛知医科大学, 医学部, 助教 (40740931)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | Diabetic polyneuropathy |
Outline of Research at the Start |
糖尿病性神経障害は糖尿病患者において高頻度に認められる合併症であるが、その病態は十分に解明されていない。そこで、本研究では、アミノ酸代謝異常と異常リン脂質蓄積が糖尿病性神経障害の病態を形成する機序ではないかとの仮説の元、マウスを用いた動物実験を通じて、この仮説を検証する。検証結果によっては、既存の安全性が確立されているサプリメントが糖尿病性神経障害の新たな治療薬として応用できる可能性が期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病における高頻度な合併症である糖尿病性神経障害(DPN)は、病態が十分に解明されておらず、予防法・治療法の確立も進んでいない。本研究では、DPNの新たな病態を解明する上で、アミノ酸利用不均衡に基づく、異常スフィンゴ脂質1-deoxy sphingolipids (1-deoxySLs)の蓄積に注目した。スフィンゴ脂質はミエリン鞘を構成する主要な生体膜分子であるが、その構成分子であるアミノ酸L-serineの代わりにL-alanineが生成に使われると分解のできない1-deoxySLsが生成され蓄積し細胞を傷害する。糖尿病患者では血中L-serine減少とL-alanine増加さらには血中1-deoxySLsの増加が報告されており、アミノ酸濃度の変化が1-deoxySLsの蓄積を惹起している可能性が推察できる。しかしながら、DPNにおいて1-deoxySLsが病態に関与しているかは検討されていない。本研究では、DPNマウスモデルにおける1-deoxySLsの蓄積の有無を評価し、DPNの治療にL-serineの補充が有効であるかを検証する。また組織・細胞培養により細胞レベルでの1-deoxySLsの傷害性を明らかにする。 昨年度は、末梢神経系においても血液脳関門と同様のアミノ酸の膜輸送システムが存在するかを評価し、中枢神経系でのL-serineの重要性が末梢神経系でも成立するかを検証した。すなわち、野生型マウスの後根神経節(DRG)および坐骨神経を用いて、アミノ酸トランスポーターの分布・発現を免疫組織化学染色とwestern blotting、RT-PCR等により評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
L-serineを中枢神経系側へ移行させるトランスポーター(SLC38A2, SLC1A4, SLC1A5)に対する特異性の高い抗体が商業ベースで確立されておらず、再現性のあるデータが得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
肥満糖尿病マウス(db/dbマウス)をDPNモデルとして用い、末梢神経系に1-deoxySLsが蓄積しているかを評価する。糖尿病誘発8週間後に、神経伝導検査、温覚閾値検査、触覚閾値検査を実施し、DPNの発症を確認し、DRG・坐骨神経を採取する。採取した神経組織は、メタノール/クロロフォルム溶液とアンモニア添加により脂質抽出後に酸/塩基加水分解し、大気圧化学イオン化法によりイオン化し質量分析を実施する。解析は、以下のスフィンゴ脂質を対象とする: SO, 1-deoxy-SO, SA, 1-deoxy-SA, 1-deoxymethyl-SA。また同じ組織を用いて、PHGDH およびSPTの発現量の変化をmRNAレベルで解析し、質量分析の結果との相関解析を実施する。
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