Project/Area Number |
22K20926
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0904:Internal medicine of the bio-information integration and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石坂 彩 東京大学, 医科学研究所, 助教 (70746859)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | HIV / 慢性炎症 / 腸内細菌叢 / 細胞外小胞 / 腸内細菌 |
Outline of Research at the Start |
研究代表者はこれまでに、慢性炎症を惹起する責任因子として、残存HIVの微弱な転写活性や腸内細菌叢のdysbiosisの存在を示してきた。これらの知見は、残存ウイルスの複製および腸管免疫の持続的な活性化、dysbiosisに起因する腸管粘膜のバリア機能障害などの悪循環が患者体内で持続している可能性を示唆しているが、その詳細の理解は不十分である。本研究では、HIV感染によって生じる腸内環境変化が、如何にして腸管粘膜バリア機能を障害し、腸内細菌の異所性感染につながるのかという一連の分子基盤の理解を通じ、dysbiosisを主軸としたHIV感染症における慢性炎症惹起の理解を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
抗HIV療法によりウイルス複製が良好に制御されている患者においても、体内では慢性炎症が続いている。本研究では、微弱なウイルス複製に伴う持続的な腸管免疫の活性化と、腸管粘膜上皮の腸内細菌叢の破綻に起因すると考えられる腸管バリア機能の低下 (leaky gut) による細菌群の血中への侵入(腸内細菌の異所性感染)が、相加的かつ互いに刺激しあう悪循環が起きている可能性を念頭に、腸内細菌叢の破綻を背景とした慢性炎症の維持機構について検証ている。特に、腸内細菌が分泌する細胞外小胞(Extracellular vesicles)にはDNAや二次代謝産物など細菌由来の生理活性物質が含まれており、細菌叢の破綻によって細胞外小胞の構成も変化することで粘膜免疫細胞の活性化につながると仮定し、HIV感染者と健常者の便検体中の細胞外小胞の性状について比較解析を行っている。 本年度は、便中の細胞外小胞がどの腸内細菌から分泌されたかを同定する検出系の確立を行った。まず、便検体をリン酸緩衝生理食塩水 (PBS) に懸濁し、遠心分離により細菌をペレット(菌体)と上清 (細胞外小胞) に分画した。次に上清を超遠心分離およびセファロースビーズを担体として用いたサイズ排除クロマトグラフィーにより細胞外小胞を遊離タンパク質から分子サイズの違いによって分離し、回収を行った。精製した細胞外小胞および菌体画分からそれぞれDNAを抽出し、16S rRNA遺伝子中のV3-V4 領域を次世代シークエンサーで解読した。得られた塩基配列情報から、菌体画分からは腸内細菌叢を構成する細菌種を、細胞外小胞画分からは小胞を分泌した腸内細菌を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
便検体からの細胞外小胞の分離精製方法について順調に確立できた。一方で、本年度は新型コロナウイルス感染症関係の論文の準備にも時間を要し、細胞外小胞を分泌した責任細菌についての患者間における比較には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
腸内細菌叢の破綻と慢性炎症を結びつける分子機構については未解明な点が多いが、細菌の放出する多様な生理活性物質が含まれる細胞外小胞が細菌叢の破綻によって変化することで粘膜免疫細胞の活性化につながる可能性がある。今後は、複数の健常人およびHIV感染者の便検体を用いて同様の方法で細胞外小胞を精製し、各種細菌の構成と血漿中の炎症性サイトカインの分泌レベルの比較を行い、腸内細菌叢の破綻に伴う細胞外小胞の変化と慢性炎症の関係について精査する予定である。
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