リゾリン脂質の三叉神経領域における神経障害性疼痛への関与の解明
Project/Area Number |
22K21034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0907:Oral science and related fields
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
栗栖 諒子 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 医員 (40963426)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | リゾホスファチジル酸 / 末梢神経障害性疼痛 / 三叉神経 / 神経障害 / リゾリン脂質 |
Outline of Research at the Start |
三叉神経領域の痛みは日常会話や食事など患者QOLに大きく関わる。近年三叉神経節における神経節細胞とその周囲の細胞でのシグナル伝達が痛みの遷延や異所性疼痛へ寄与が明らかになってきた。一方リゾリン脂質であるリゾホスファチジル酸(LPA)が神経障害性疼痛に関わり、グルタミン酸取り込みへの関与の報告があるが詳細は不明である。 過去に報告した末梢神経損傷モデルにおける三叉神経節内グルタミン酸量の変化から、更なる疼痛機序解明にむけて神経障害性疼痛に関わると知られているリゾリン脂質とグルタミン酸の関連の解明を行う。本研究により、神経障害性疼痛における細胞間の機能連関の解明の一助になると期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、リゾリン脂質のひとつであるLPAがグルタミン酸を介して三叉神経領域の神経障害性疼痛における細胞間のシグナル伝達に関わるかを解明することである。微小透析法は、組織に埋め込んだ細い透析チューブに生理的な液体を流すことで毛細血管の機能を模倣することで、組織から物質を回収することができる。覚醒下ラットを用いた三叉神経節からの微小透析法での細胞外液のサンプリングは、申請者らが以前の研究で確立した方法であり、継続して用いることで今後の微小透析法を用いた方法の発展に寄与できる。また本研究で焦点をあてているリゾリン脂質は、三叉神経領域において十分な探索がなされていないため、リゾリン脂質の更なる研究発展につながり、三叉神経領域における慢性疼痛の新たな予防・治療のターゲットになることが期待される。 研究実施計画に沿って動物実験計画書を作成し、申請承認を受け、実験を進めた。 1)リゾホスファチジル酸(LPA)を用いた実験系の確立 LPAをカニューレから直接三叉神経節へ投与し、LPA投与ラットを作製した。同ラットを用いて神経障害性疼痛様の機械的刺激による逃避行動の評価を行った。 2)リゾリン脂質受容体(LPA受容体)発現細胞の探索 LPA受容体は神経の髄鞘部を構成するSchwann細胞に存在することが知られており、後根神経節(DRG)でのRT-PCRでの報告や免疫組織化学染色による報告もある。LPA受容体が三叉神経節の神経節細胞か衛星細胞に発現しているのか、あるいはその他の細胞か免疫組織学的に解明するために、薄切標本を作製し、免疫組織染色に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
リゾリン脂質受容体(LPA受容体)発現細胞の探索に難渋している。 LPA受容体が三叉神経節の神経節細胞か衛星細胞に発現しているのか、あるいはその他の細胞か免疫組織学的に解明するために、薄切標本を作製し、免疫染色に取り組んでいるが、明瞭な結果が得られていない。ネガティブコントロールを作製し、検討しながら進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は免疫組織化学染色については再現性のある結果が得られるように賦活剤、洗浄、抗体の濃度などを工夫し取り組む。必要に応じてネガティブコントロールで評価する。 微小透析法を用いたグルタミン酸の定量については課題がいくつかあるため、創意工夫し、研究協力者の先生方に相談する。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)