パルスオキシメータから静脈内鎮静法の鎮静深度を評価する方法の確立
Project/Area Number |
22K21074
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0907:Oral science and related fields
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
林 真太郎 朝日大学, 歯学部, 助教 (80966169)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | Perfusion Index / パルスオキシメータ / 静脈内鎮静法 / プロポフォール |
Outline of Research at the Start |
現在本邦では、歯科治療に対して恐怖心が強く、通常の歯科治療が困難な患者に対して、静脈内鎮静法を用いた歯科治療を行っている。静脈内鎮静法は抗不安作用のある鎮静薬を点滴から投与して恐怖心を軽減することで歯科治療のストレスを緩和する方法である。静脈内鎮静法を併用した歯科治療は快適ではあるが、鎮静薬を過剰投与すると呼吸困難や窒息などの医療事故につながることが報告されている。そのため、歯科麻酔科医は静脈内鎮静法中の鎮静深度(鎮静薬がどの程度効いているか)を常に評価する必要がある。 本研究では、静脈内鎮静法中に装着するパルスオキシメータを用いて鎮静深度の評価が可能かどうかを検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
静脈内鎮静法において、パルスオキシメータは呼吸状態の評価項目である経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)測定のため全例に装着する必要があるが、SpO2以外に灌流指標(PI:Perfusion Index)を同時に測定している。PIは全身麻酔中の麻酔深度の評価が可能であるとの報告があるため、静脈内鎮静法中の鎮静深度も評価が行える可能性がある。 jRCTヘの登録(認定番号:11000341)後に、20~39歳の男性(ASA-PS 分類 1・2度)を対象として研究データ採取を行った。薬物投与前にコントロール値を10分間測定し、TCIによるプロポフォール投与を目標血中濃度1.5μg/mLで開始した。投与開始から15分後、Trial A群は15分間の持続投与のみを行い、Trial B群は持続投与下で歯面清掃を15分間行った。持続投与終了後は30分間データ採取を継続し終了した。また、各Trialは同一研究対象者で別日(7日以上あけた後)に行った。 研究データの採取を5名終えた段階で、主要評価項目のPIと副次的評価項目であるBIS値の経時的変化について分析したところ、BIS値が低下する鎮静状態においてPIは増加する傾向を示した。また、刺激のある状況においてPIは変動するため、Trial B群ではPIになんらかの影響がでることが推察されたが、現段階ではTrial設定による差異は明確には現れなかった。 その後は統計解析業者との打ち合わせから、PIとBIS値の相関性を証明する方針でサンプルサイズの決定し、追加で研究データ採取を行ったが、2022年度中は後述する新型コロナウイルスの感染拡大等もあり、必要サイズには至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度中に研究データ採取が完了する段階を想定していたが、予定していた研究データ数に不足がある。理由として、新型コロナウイルス感染拡大により、想定していたよりも研究参加者確保が困難であったことや、感染による体調不良で研究データ採取に遅延が生じたことが考えられる。また、空調設備のトラブルで試験環境の調節に期間を要したこともあった。現在試験環境は改善されており、従来通り研究データ採取可能な状況である。2022年度に実行できなかった研究データ採取は調整可能な範囲であり、研究計画はやや遅れている状況であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
優先事項として不足しているデータ採取を速やかに行う。本研究ではPIから鎮静深度の評価ができるかを目的とするため、結果からPIとBIS値の相関性を各Trial設定(静脈内鎮静法下の歯科治療を想定した設定)による影響も踏まえて分析・解析する。2023年度では当該研究の成果報告を麻酔関連学会で発表、論文作成のプロセスを推進していく。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)