ラオス北部住民の化学物質複合曝露と酸化ストレス:腸内細菌による修飾作用の検討
Project/Area Number |
22K21108
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0908:Society medicine, nursing, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水野 佑紀 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (10967813)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 酸化ストレス / 化学物質 / 複合曝露 / ラオス北部 / 腸内細菌叢 / 腸内細菌 / ラオス |
Outline of Research at the Start |
本研究は、途上国辺縁地域住民の化学物質曝露による酸化ストレスへの影響を、腸内細菌による修飾作用も考慮して検討することを目的とする。ラオス北部山岳地域では急速に近代化が進み、住民の化学物質への曝露も変化していることが推測される。しかし、化学物質曝露及びその健康影響について、途上国辺縁地域での知見はほとんどない。そこで、近代化が進むラオス北部の住民を対象に、化学物質曝露と非感染性疾患の基盤病態である酸化ストレスとの関連を検討することを目指す。特に、多様な化学物質への複合曝露による影響を考慮する。さらに、外的要因である化学物質曝露に加えて重要な内的要因である腸内細菌叢の役割にも着目する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、途上国辺縁地域住民の化学物質曝露による酸化ストレスへの影響を検討することである。ラオス北部の山岳地域に位置する近代化の程度(市場への依存度)の異なる3村落の住民を対象に調査研究を実施しており、本研究ではこれまでに得られた住民341名のデータおよび生体試料を用いた。酸化ストレスは、酸化ストレスマーカーとして8-OHdGおよび8-isoprostaneの尿中濃度を測定済みであり、この測定値を統計解析に用いた。2022年度は、主に尿中濃度を測定して評価が完了している微量元素類(ヒ素、カドミウム、セレン)への曝露に着目し、酸化ストレスとの関連を検討した。その結果、ヒ素やカドミウムが酸化ストレスの増大に寄与していること、セレンがヒ素やカドミウムによる酸化ストレスの増大を抑制していることが示唆された。上記の成果について、American Journal of Biological AnthropologyとScience of Total Environmentに論文が掲載された。 今後、対象の化学物質を増やすために、尿中のさまざまな化学物質を対象としたマルチターゲットな化学分析手法を実施するための準備を進めた。さらに、多数の化学物質曝露と健康影響との探索的関連解析であるExposome-wide association study(ExWAS)解析について、手法の開発者であるHarvard Medical SchoolのChirag Patel教授の研究室を訪問し、解析手法の習得などに取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は、これまでに実施した調査で得られたデータの解析を進め、得られた知見について学術論文として成果報告まで進めることができた。また、より多くの化学物質の曝露評価を行うための分析手技の基礎、および多数の化学物質曝露評価データを用いた統計解析手法の習得に取り組むことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
曝露評価を実施する化学物質の候補を効率的に増やすために、生体試料中の有機化合物を対象としたマルチターゲット分析手法の確立に取り組む。液体クロマトグラフー飛行時間型質量分析を用いた測定手法の確立に取り組み、尿中の化学物質を対象に可能な限り網羅的な定量(/半定量)的分析を実施することを目指す。また、事前に対象物質を定めないノンターゲット分析への応用も試みる予定である。この分析手法と2022年度に取り組んだExWAS解析などを併用することで、ラオス北部住民の化学物質曝露と酸化ストレスとの関連を包括的に検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)