| Project/Area Number |
22K21128
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
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| Review Section |
0908:Society medicine, nursing, and related fields
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| Research Institution | Meiji University of Integrative Medicine |
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Principal Investigator |
村上 龍 明治国際医療大学, 保健医療学部, 助教 (10966675)
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| Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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| Budget Amount *help |
¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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| Keywords | 自殺 / 自殺予防 / 警察 / 監察医 / 変死 / 死体検案 / 法医学 / 精神科 / 精神医学 / 危機管理 / 予防 / 危機管理学 |
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| Outline of Research at the Start |
我が国は先進国(G7)における自殺死亡率第1位であり、15歳から39歳の死因の第1位が自殺である。この問題を踏まえ、自殺者の実態解明を進め早急かつ効果的な自殺予防策を検討する必要があるが、自殺者の身辺背景や医学背景を含む個人情報を用いた調査は十分に行われていないのが現状である。
本研究は大阪府監察医事務所検案要請書を情報源とし、今まで詳細な分析が行われてこなかった自殺者個人の情報(死亡推定時刻を加味した自殺発生時刻、人間関係トラブル、自殺手段の詳細等)に着目し、各種統計手法を用いて危機管理学的視点、精神医学および法医学的視点から自殺実行リスク評価法の検討および予測因子の解明を試みるものである。
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| Outline of Annual Research Achievements |
自殺調査の領域において自殺未遂者に関する研究は多く存在する。しかし，自殺死亡者については警察機関に詳細な死亡者の情報が集約されるため，情報のアクセスに大きな制約が生じ，その実態はほとんど調査されていない。
本年度の研究は，警察機関が監察医に対して検案を要請するために送達する文書に記載されている自殺死亡者の情報から，生前の自殺未遂歴に寄与する因子を明らかにすることを目的とした。対象は2017年中に大阪市内で発生した自殺死亡者の背景情報である。
対象例の全体数は569件であり，そのうち分析を行う際に欠測値が確認された例を除いた343件（うち男性61.2％）について多変量ロジスティック回帰分析を実施した。その結果，自殺者のうち，性別が女性であること，同居人がいること，精神科受診歴があることが，生前に自殺未遂歴があることと関連する因子であった。
性別について，男性が女性よりも自殺を完遂する例が多く，女性は男性に比して致命的でない自殺行為例が多いという，先行研究によって明らかになっている自殺行為のジェンダーパラドックスが関係していると考えられる。自殺行為は身体の損傷を生じる為, 医療機関の受診の要因となり得る。例えばリストカットや飛び降り等を目撃した同居人やその他関係者, 或いは本人が緊急通報や医療機関へのアクセスを行うケースや, 自殺行為を行った患者の搬送先となった医療機関の救急部門が精神科専門医への紹介を行うことが, 自殺未遂と精神科の受診歴の関係性を結ぶ要因であると推察される。また, 救急搬送には至らないまでも, 自傷行為をきっかけとして患者本人や家族等関係者が精神科へのアクセスを行っていた可能性がある。このことが本研究の結果に反映されている可能性がある。
自殺死亡者の特徴を把握することは，精神・救急医療の現場において自殺企図に関するハイリスク郡への積極的な医療介入に寄与すると考える。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究では前年度に作成が完了したデータベースを基に，自殺死亡者の自殺未遂歴に関連する因子を調査した。これらの結果は自殺死亡者の情報を基に得られたものであり，今後の自殺対策における更なる発展に資するものであると考えている。本年度は新型コロナウイルス感染症の影響が昨年度に比して大きくなく，概ね順調に調査を進める事ができた。また，これまでの研究結果に関する学会発表及び学術論文の投稿を実施することができ，本研究の結果を広く公表する事ができたと考えられるため，おおむね順調に進展していると評価した。現在は既存のデータベースを使用し，自殺死亡者に関連する因子の特定を実施している。これらと併せて前年度における分析結果の論文を公開し，本年度の研究成果の学会発表を近日実施する予定である。
『採択演題』第27回日本臨床救急医学会総会・学術集会 演題名:死因究明機関が取り扱う情報を活用した自殺既遂者の精神科受診歴と自殺手段及び背景情報の関連性の検討 演題発表予定: 2024年7月19日, 2024年5月22日現在。『採択演題』第120回日本精神神経学会学術総会 演題名: 警察機関と監察医が取り扱う情報を活用した自殺既遂者の精神科受診歴と自殺手段の関連性の検討 演題発表予定:2024年6月21日,2024年5月22日現在。『採択演題』第108次日本法医学会学術全国集会 演題名:警察機関と監察医が取り扱う情報を活用した自殺既遂者の自殺未遂歴と背景情報の関連性の検討 演題発表予定:2024年6月6日,2024年5月22日現在。
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| Strategy for Future Research Activity |
本年度に実施した研究結果を基に，自殺死亡者の自殺手段に関する更に詳細な因子の分析を実施することを計画する。また，自殺死亡者の精神科受診歴に関連する因子の更なる検討を実施することを計画する。本研究は法医学的情報（特に死亡者に関する情報）を活用して自殺の予防に資する可能性のある因子を探り，最終的には我が国における今後の自殺対策や政策決定の基礎の一つとすることを目標とする。従って，昨年度の実施報告書にも記載のとおり，行政機関等が自殺事案を認知・対応した段階で担当官が死亡者の情報を直接入力できるような自殺死亡者レジストリの構築に繋がる研究を展開することを目指す。
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