Project/Area Number |
22K21172
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0908:Society medicine, nursing, and related fields
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
和田 峰子 広島大学, 医系科学研究科(保), 助教 (40963690)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 老老介護 / 介護負担 / エイジング・イン・プレイス / 地域支援 / 介護経験 / 被介護経験 / 介護 |
Outline of Research at the Start |
著しい高齢化と核家族化により、介護者・被介護者が共に65歳以上の老老介護世帯は増加しており、認知症は要介護度1-3のレベルでは介護理由の第1位を占める。介護負担や介護疲れが深刻化し、被介護者虐待、心中等が社会問題化する中、老老介護世帯の実態調査は進んでいない。老老介護では、介護者と被介護者双方の身体的・認知的・感情的要素が介護者の介護負担に影響している可能性がある。本研究は、老老介護世帯における介護者および被介護者の健康・生活状態、介護・被介護体験、現在利用しているサービスと今後検討が必要なサービスについて調査票とインタビュー手法を用いて調査し、老老介護の実態と支援に関する課題を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績として以下の2点を挙げる。1点目は、現在までに8組の老老介護世帯夫婦をリクルートし、データ収集、データ分析を実施したことである。データ分析から、高齢介護者の身体的、精神的、経済的介護負担の特徴が明らかとなった。そういった介護負担があるにもかかわらず、長年連れ添った配偶者(要介護者)への深い愛情から、配偶者をできる限り自宅で介護することで施設に入居させることを先延ばしにしている現状が垣間見えた。 8組(16名)の参加者数は、30組(60名)を予定していたことを考えると約25%にすぎない。しかし、この1年間、広島市内6区の関連団体(例:地域包括支援センター、地域支えあい課)に対しリクルートの協力を依頼したり、認知症の人と家族の会や男性介護者の会の活動に参加して、研究参加協力を訴える中で、高齢介護者は、介護者自身が疾患を抱えているため身体的介護負担が大きく、研究に参加できるほどの時間的、体力的余裕がないことを知った。また、特に男性介護者は、研究者との信頼関係がなければ介護経験を語ることに抵抗があり、特に女性の研究者がインタビューをするような本研究には参加を躊躇するということがわかった。そのため、広島市の複数の区で実施される男性介護者の会の定例会には、定期的に参加することで関係を気付くことに注力した。 2点目の実績として、老老介護に関するスコーピングレビューを挙げる。昨年度実施したレビューについては学会発表を終えたが、より系統的に実施すべく高齢介護者の同居の有無や、介護者だけでなく要介護者の年齢、介護者と要介護者の同居なども細かく分析し、論文執筆を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究参加者のリクルートに時間を要していることが、進捗遅延の主な理由である。老老介護世帯の介護者は、自身も身体的問題を抱えていることが多く、要介護者が介護サービスを利用している間、介護者は通院していることが多い。また、介護の合間を買い物等の家事時間に充てているため、研究協力の時間が取りづらいこと、さらに、信頼関係が構築できていない研究者に対して介護経験を話すことに躊躇する傾向があることがリクルートの難しさの原因となっている。そのため、地域包括支援センターの定例会、ケアマネージャーを対象とした研修会、男性介護者の会に参加しながら、本研究を広く知ってもらい、介護者や関連機関・団体関係者との関係を構築しつつ、研究協力を呼びかけている。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目は、地域の関連機関・団体と連携を図りながら、残り8-10組の老老介護夫婦をリクルートし、データ収集を行い、全データを解析した後に学会発表、論文執筆を行う。
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