Project/Area Number |
22K21196
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0908:Society medicine, nursing, and related fields
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
森川 将徳 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 老年学・社会科学研究センター, 特任研究員 (70961069)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 糖尿病 / 転倒発生 / 歩行評価 / 予測 / 歩行検査 / 転倒 / 骨折 |
Outline of Research at the Start |
糖尿病は骨折の成因となりうる。我が国の糖尿病者は高齢になるほど増大していることや、要介護発生の主たる原因に骨折が挙げられることから、糖尿病を有した高齢者の骨折予防は重要である。歩行能力は骨折発生にも強く影響する要因であるが、糖尿病を有した高齢者の骨折発生を特異的に予測可能な歩行能力指標は明らかにされていない。本研究の目的は糖尿病高齢者の骨折発生を予測する歩行能力指標を開発することとし た。中でもPlanned gait timeのカットオフ値を明らかにし、糖尿病高齢者の骨折発生を特異的に予測する歩 行能力指標としてPlanned gait timeが有用であるか検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会の我が国では65歳以上の人口の約5人に1人が糖尿病であると推定されている。糖尿病は感覚神経、自律神経、運動神経の機能障害、認知機能障害を引き起こす代表的な慢性疾患であり、失明、腎不全、心臓発作、脳卒中、下肢切断など重大疾患の発生リスクを増大させる。近年、これに加えて糖尿病は骨脆弱性を助長することが明らかになり、糖尿病が要介護発生の主たる原因である骨折リスク増大に影響すると考えられる。したがって、糖尿病高齢者の骨折予防は取り組むべき課題である。 骨折を予防するためには骨折のリスク因子を特定することが必要である。高齢者全般を対象にした報告は過去に多くあり、歩行能力により特定可能なリスク因子も含まれている。多くの骨折の受傷機転になりうる転倒では身体機能の低下が関連要因となるが、歩行は日常生活で欠かせない動作のひとつである一方で神経-筋骨格系が密接に関連する複雑な動作であり、高齢者のバイタルサインと表現されるほど歩行は高齢者の健康状態を総合的に評価できる身体機能指標であると考えられる。しかし、糖尿病高齢者の骨折予防に対するニーズは高まっているにも関わらず、糖尿病高齢者を対象とした骨折の発生リスクを検討した報告は乏しく、歩行能力により糖尿病高齢者の骨折発生リスク評価が可能かは不明である。なかでもMeierらは、糖尿病高齢者のPlanned gaitに着目し、停止相では歩行速度が小さかったにも関わらず身体の重心動揺が大きく歩行が不安定であったことを示している。原因は明らかでないが、糖尿病性の感覚神経および運動神経機能障害、平衡感覚や運動の計画を司どる小脳機能障害、網膜症による視力障害などがPlanned gait時の異常歩行として現れている可能性がある。そこで本研究課題は、Planned gaitが糖尿病の症状を表現する特異的な歩行評価になりえるのではないか、また将来の骨折発生の予測因子として有用ではないかと考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究のマイルストーンとして、①大規模コホート研究(National Center for Geriatric and Gerontology-Study of Geriatric Syndromes:NCGG-SGS)より、Planned gait timeの計測しているサブコホートの抽出、②HbA1c値より糖尿病の有無を判別、③公的データから転倒発生データセットの作成、④データ統合とクリーニング、⑤データ分析とまとめが挙げられる。本年度においては、④まで実施が完了している状態であり、⑤を残すのみである。したがって、本事業の進捗状況は「おおむね順調である」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、研究計画に則り、かつメンターとの綿密な相談のもと、Planned gait timeによる転倒発生との関連、通常歩行速度との関連度合いの比較、Planned gait timeの予測精度の確認を行う。さらに非糖尿病群及び糖尿病群での集団間の比較分析を行い、Planned gait timeによる評価が糖尿病患者に特異的かどうかを検討する予定である。
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