Project/Area Number |
22K21227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0909:Sports sciences, physical education, health sciences, and related fields
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
波多野 慶 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学・研究部, 契約研究員 (70963924)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 低酸素 / 高二酸化炭素 / 筋力 / 脊髄運動ニューロン / 運動神経 / 最大随意筋力 / 力調節安定性 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、健常なヒトに対する低酸素と高二酸化炭素の曝露が、神経性の要因を介して、四肢の最大筋力や力調節の運動機能を改善させる可能性の検討である。これまでに研究代表者は、高二酸化炭素の曝露によって、下腿筋を支配する脊髄の運動神経が活性化される可能性を示した。また先行研究では、低酸素曝露によって脊髄損傷者の運動機能が回復することが示唆された。しかしながら、神経障害の無い者の運動機能に対する高二酸化炭素および低酸素の影響は不明である。したがって本研究では、健常者を対象として、高二酸化炭素および低酸素が運動機能に及ぼす影響を明らかとする。
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Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、先行研究と自身のこれまでの検討から、動脈血の酸素(O2)濃度の低下や二酸化炭素(CO2)濃度の上昇が体肢筋を支配する脊髄運動ニューロンの興奮性を増加させる可能性を見出している。本研究では、吸気のO2濃度とCO2濃度を変化させる呼吸介入が、神経性の要因を介して随意的な筋力発揮に及ぼす影響を明らかとすることを目的としている。 本研究は神経性の障害の無い者を対象としている。本研究で用いる呼吸介入は、短時間の低O2曝露の繰り返しと短時間の高CO2曝露の繰り返しの二条件とする。それぞれの呼吸介入は、先行研究の検討に基づき、低O2ガス吸入と外部死腔付加によるCO2再呼吸法によって行う。呼吸介入の前後で測定される検討項目は、1)随意的な最大足関節底屈力、2)随意的な最大下の足関節底屈力の安定性、3)電気刺激によるヒラメ筋の反応である。1)および2)の筋力は随意的な運動出力の指標として測定する。3)では、ヒラメ筋のH波およびF波を脊髄運動ニューロンの興奮性を反映する神経筋活動の指標として測定する。 本研究は、呼吸介入が脊髄の神経活動への影響を介して、運動機能を改善する可能性を探るものである。本研究で運動機能に対する呼吸介入の影響が明らかとなれば、リハビリテーションやスポーツトレーニングの場における応用へ繋がることが期待される。 今年度は、実験実施のための所属機関内の手続き、実験で用いる機材および消耗品の調達、予備実験の実施を進めた。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の度重なる拡大のため、計画していた低O2曝露の影響を検討する本実験の実施には進めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、呼吸介入を行うために被験者は不織布マスクを外す必要がある。また、神経筋活動を測定する際には、電極を装着するために、実験者は被験者に至近距離で直接触れる必要がある。これらの行為は被験者と実験者の双方にとって感染リスクが高いとされ、感染拡大時の実験実施は困難であった。また低O2および高CO2の使用には健康を害するリスクがあるため、被験者の安全確保の準備および手続きに慎重を期す必要があった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、感染状況が落ち着きつつある。また、実験で用いる呼吸介入に対する被験者の安全性確保に関する準備と手続きが整った。したがって、次年度は低O2および高CO2それぞれの条件における本実験を完了させることとする予定である。
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