身体運動と繊毛運動による脳脊髄液・脳内間質液の流動を介する認知症・うつの抑制機構
Project/Area Number |
22K21268
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0909:Sports sciences, physical education, health sciences, and related fields
|
Research Institution | Kyushu University (2023) National Cardiovascular Center Research Institute (2022) |
Principal Investigator |
越智 亮介 九州大学, 医学研究院, 助教 (80965525)
|
Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | 運動 / メカニカルストレス / 脳脊髄液 / 間質液 / 認知機能障害 / うつ病 / 不安 / 海馬 / 認知症 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、運動が脳脊髄液・脳内間質液の流れに作用し、認知症・うつ症状を抑制する生物学的機構の解明を目的とする。これまでに、運動が認知症・うつ症状を改善することが明らかにされているが、この運動の効果の分子機構の全貌は明らかにされていない。本研究では、運動が脳機能に影響する系として、これまで着目されてきた末梢器官から放出される液性因子ではなく、身体運動時の頭部の動きと繊毛運動により制御される脳脊髄液・脳内間質液の流動に着目し、運動が認知症・うつ症状を抑制する生物学的分子機構を明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、運動が認知症やうつ症状を改善することが明らかにされているが、この運動の効果の分子機構は明らかにされていない。本研究は、身体運動時の頭部の動きにより制御される脳脊髄液と脳内間質液の流動に着目し、運動が認知症やうつ症状を抑制する分子メカニズムを明らかにすることを目的とした。 最終年度は、行動実験にて受動的身体上下動の有効性を認めた身体拘束ストレスモデルマウスにおいて、受動的身体上下動による介入の作用点となる脳領域と細胞種の同定に取り組んだ。海馬、内側前頭前皮質、扁桃体において、炎症と神経新生に関連する分子に着目した解析を行ったが、受動的身体上下動による効果の同定には至らなかった。加えて、受動的身体上下動の効果の検出に適した介入期間の探索にも取り組んだ。粉餌飼育モデルマウスを用いて、受動的身体上下動の効果を、経時的にくり返し、行動学的に評価したところ、初回の評価時点においてのみ、受動的身体上下動による認知機能障害の軽減効果を認めた。このため、粉餌飼育モデルマウスでは、行動学的解析を繰り返すことにより受動的身体上下動による効果を検出できなくなる可能性、あるいは、短い介入期間の方が受動的身体上下動による効果を検出しやすい可能性があることが示唆された。また、受動的身体上下動による認知機能維持効果が認められた短い期間の粉餌飼育後に摘出した脳の海馬歯状回では、神経前駆細胞と新生ニューロンが減少していることを確認した。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)