ロータ吸引式把持機構による飛行マニピュレータの動作空間拡張と双腕協調能力の獲得
Project/Area Number |
22K21270
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
1001:Information science, computer engineering, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西尾 卓純 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助教 (20966402)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 飛行マニピュレータ / 協調動作 / 吸着制御 / 飛行制御 / 吸着 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,ロータ分散型飛行マニピュレータを任意環境に設置可能にするとともに,双腕での協調動作により実現可能な作業を拡張することで,実際の現場でも利用可能な飛行ロボットシステムを構築する.その際,ロータ吸引式の足部グリッパによる多様な環境への固定化,複数台協調による作業能力の拡張に加え,環境認識に基づく自動動作生成と身体着脱式操縦機を用いた人による遠隔操作が可能な,これまでにない飛行マニピュレータの統合双腕動作生成システムを実現する.
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Outline of Annual Research Achievements |
近年,経年劣化した建造物の点検・修復に携わる技術者不足やコストが問題視される中,ロータ機構を搭載した飛行可能なロボットによる作業の代替が検討されている.その際に,一般的なマルチロータ型ドローンにアームを搭載することで打音検査等の簡易作業を代替する研究が行われてきた.ここで,従来機体で高所作業を行う場合,手先発揮力や到達空間に大きな制約が生じることに加え,飛行ロボットの空中定位精度の観点から繊細な作業は困難とされている.申請者は上記の課題に対し,アームの各リンクに分散置したロータ推力を用いて関節負荷を軽減することで手先発揮力や到達空間を増加させるとともに,ロータの吸引力を用いて機体の一部を環境に固定して手先の安定性を高めるロータ分散型飛行マニピュレータを提案してきた.ここで,提案機体が固定可能な環境はこれまで平面に限定されていたことに加え,単腕マニピュレータで代替可能な作業には限界があった.以上のことから,ロータの搭載により3次元空間を移動可能になった飛行マニピュレータの設置環境と作業内容拡張手法の実現を目指してきた.上記の目的を達成するため,本研究では汎用環境に固定可能なロータ吸引式グリッパ機構やデュアルロータ型推力偏向機構の提案を行った.ロータ吸引式グリッパにより固着可能な環境を拡張するとともに,新たな推力偏向機構を用いて実現が困難な姿勢領域を削減することで操作自由度の向上を可能とした.さらに,提案ロータ分散型飛行マニピュレータも含めて幅広い機体に適用可能な非線形飛行制御システムの提案を行った.また,上記制御システムを提案機体に搭載して評価実験を行い,安定性を十分に保証できることまで確認しており,現在は以上の内容を国際学会および国際論文誌に投稿している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は,平面以外の環境に対しても飛行マニピュレータを固定することが可能な足部機構を構成を検討し,実機の設計および製作を行った.環境接触を行うために新たに提案したロータ吸引式グリッパの構成では,環境に固定する上で必要となる把持力を発揮可能なロータ数や配置の構成を検討し,ロータと関節が各々2となる機構とした.提案ユニットはグリッパの関節が発揮できるトルクに加えてロータの推力を把持に利用できることから,多様な環境で大きな把持力を発揮可能な構成となっている.また,提案マニピュレータの推力機構に関して,新たなデュアルロータ型推力偏向機構を導入することでロータ数が少なく姿勢の特異点が多くなる傾向にある機体に関しても,幅広い動作領域を確保可能にしている.これにより,従来機体と比較してより柔軟で大規模なタスク実現が可能となる.さらに,提案機体のような従来制御では安定した動作が困難な機体での飛行を実現するため,一般的なロータ分散型ロボットにも拡張可能な非線形飛行制御システムを提案した.提案制御システムは非線形制御と高速な線形姿勢補助制御よりなり,幅広いロータ分散型機体を安定化可能にすることが期待できる.これらに加え,上述の制御システムを実機に搭載して安定した飛行が可能であることを確認するとともに,以上の内容を国際学会に投稿して採択が決定している.
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Strategy for Future Research Activity |
双腕飛行マニピュレータでの協調遠隔操縦動作生成法について検討する.提案飛行マニピュレータ2台を身体着脱式モジュールにより遠隔操縦することで,人による高所での作業負担軽減を目指す.その際,各飛行マニピュレータが上下に重なり気流が干渉し機体の不安定化する状態での動作生成への影響について実験を通して明らかにすることで,制御のみにより安定化するか動作計画で根本的に回避するべき状態かを分類する.制御で対応可能な状態では慣性計測装置(IMU)等のセンサ情報を用いて機体に加わる風外乱による力を推定することで動作の安定化を図り,制御で安定化が困難な場合は単腕マニピュレータで用いた動作計画手法を拡張することで気流の干渉自体を回避する手法をとる.遠隔操縦では機体と身体の写像を考慮した操作モジュールを検討し,ロータ分散型飛行マニピュレータ特有の操作様式について明らかにすることを目指す.
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)