Project/Area Number |
22K21290
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
1001:Information science, computer engineering, and related fields
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Research Institution | Meiji University (2023) Ritsumeikan University (2022) |
Principal Investigator |
辻野 雄大 明治大学, 総合数理学部, 助教 (10962540)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | エンタテインメントコンピューティング / ゲーム情報学 / 音楽情報処理 / 機械学習 |
Outline of Research at the Start |
音楽ゲームは,流れる音楽に合わせて,音楽的表現活動を模した身体動作を行うことで遊ぶゲームジャンルの1つである.音楽ゲームが大きな市場を形成している背景には,音楽および身体動作が持つ楽しさの存在が考えられ,プレイヤはゲームを通してこれらの楽しさの一側面を認知していると言える.本研究では,音楽ゲームを仲介することで,「プレイヤがゲームを通してどのように音楽を認識しているのか」という音楽的認知と,「ゲームが要求する身体動作をプレイヤはどのように習得するのか」という身体的認知の2つの認知メカニズムを数理的に究明する. この究明結果を応用し,任意の楽曲に対してゲーム譜面を自動生成するシステムを構築する.
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は,「音楽ゲームに対する人間の行動」領域についての研究成果発表に加えて,本研究全体を俯瞰したポジショニングと展望を確認し発信する口頭発表および講演を行った. 前者の研究成果は「プレイヤプロファイルに応じたダンスゲーム譜面に対する足運びの推定」の題目で,情報処理学会論文誌 エンタテインメントコンピューティング特集号に掲載された.ダンスゲームの譜面を与えることで,それを遊ぶプレイヤがどのような身体動作でゲームを攻略するかを推定するシステムを構築した.システムの出力を,ダンスゲームプレイヤを対象とした被験者実験で得られた回答と比較することで,有効性を確認した.その結果,システムはゲームプレイヤの動作をおおよそ55%-69%の精度で推定できることを確認したことに加え,身長や靴のサイズなどのプロファイルが個人に合わせた動作推定に有効である可能性が示唆された. 後者については,"Towards Field of Study in Rhythm-based Video Games"の題目でConference on Games 2023(8/21-8/24, Northeastern University, Boston)で発表したのち,「音楽ゲームを中心とするエンタテインメント研究の展望」の題目で第70回 情報処理学会エンタテインメントコンピューティング研究会(12/27, オンライン開催)にて招待講演を行った.音楽ゲーム研究が音楽・エンタテインメント・ゲームの3分野に関連する研究であることを改めて確認し,申請者が持つ知見・経験をどのように学術研究に活用してきたかという点を含めて,音楽ゲーム研究が波及できる効果について発表および議論を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請段階で予定していた,年1-2本の論文誌掲載,および年1回の国際会議発表は,2023年度は最低限ではあるものの達成した.加えて,エンタテインメントコンピューティング分野の若手研究者としての招待講演を行っており,研究活動のスタートアップの一環として研究者コミュニティへの参画も推進できた. しかしながら,2022年度の研究の遅れを取り戻すまでの進捗は生めていないと自己評価した.2023年度の発表実績は,基本的にはそれ以前に確保していた研究成果を発表したものである.2024年度の発表に向けた新たな研究成果を十分に生むことができなかった.この状況に至った大きな要因に,2023年度より研究拠点を明治大学に移したことが挙げられる.新拠点での研究環境整備に時間を要したことに加えて,教育面の業務内容も2022年度から大きく変化したため,研究活動に十分なエフォートを割くことができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の成果の1つである「本研究全体を俯瞰したポジショニングと展望」の発表の中で,音楽ゲームを研究対象とすることで解決できうる課題を提案した.今後の研究では,提案した研究課題について実際に音楽ゲームから得られる情報を利用しながら解決することを図る.具体的には,入力された音楽音源の中から特定の楽器音やメインメロディに当たる音などを抽出する「音源分離課題」,拍や小節,フレーズといった単位で音楽の構造を分析する「音楽構造解析」などの課題解決を目指す.加えて,音楽ゲームに限らないテレビゲーム全般を対象とした研究や,音楽ゲームやテレビゲームの文化を情報学以外の分野の視点から分析する研究についても,申請者の経験および人脈を活用しながら推進する.
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