Project/Area Number |
22K21325
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
1101:Environmental analyses and evaluation, environmental conservation measure and related fields
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
加藤 謙吾 富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 特命助教 (00965709)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | アルミニウム / 不純物除去 / 熱力学 |
Outline of Research at the Start |
カーボンニュートラルの実現へ向けてアルミニウムのリサイクルは必須の課題である。現状アルミニウムスクラップは不純物許容値の低い鋳造材に主に利用されており、アルミニウムスクラップからの不純物除去による展伸材へのアップグレードリサイクルが必要不可欠である。本研究ではAl溶湯中におけるMgと不純物間の親和力を利用することで、不純物をMgまたはAlとの金属間化合物として晶出させて分離する新たな不純物除去原理を提案する。本除去原理の実現を目指し、Al溶湯中におけるMgと不純物元素間の親和力を表す熱力学データの導出を目的とした研究を推進する。
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Outline of Annual Research Achievements |
カーボンニュートラルの実現へ向けてアルミニウムのリサイクルは必須の課題である。現状アルミニウムスクラップは不純物許容値が高い鋳造材に主に利用されているが、鋳造材の主な用途であるエンジンブロックは自動車の電動化に伴って今後需要が減少すると考えられる。したがってアルミニウムスクラップからの不純物除去による展伸材へのアップグレードリサイクルが必要不可欠である。A5000系合金に添加されるMgはSiと親和力が強く容易に金属間化合物Mg2Siを形成することが知られている。そこで本研究では溶融Al合金中におけるMgとの親和力を利用した新たな不純物除去原理を提案する。本原理によるアルミニウムのリサイクルプロセスの実現へ向けてMgと不純物間の親和力の把握が必要である。本年度はアルミニウム合金からの除去が困難な元素であるSiに着目しMg添加による除去可能性を調査した。MgとSiをMg2Siの組成になるように混合し、不活性雰囲気で溶融させてMg2Siを作製した。得られたMg2SiとMgを15~40mass%添加したAl-Mg合金をAl2O3るつぼにいれて電気抵抗炉内で昇温し、873 Kで溶融させた後19 h保持して平衡させた。その後、取り出して空冷し、Al-Mg合金中Mg、Siの濃度をICP発光分光分析法で分析した。以上の方法で、SiをMg2Siとして晶出させた場合における溶融Al-Mg合金中のSi濃度の低減値を調査した。Mg濃度が高くなるほど、Al中Si濃度が低下し、本原理によりSiの除去が可能であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アルミニウムスクラップからの不純物除去によるアップグレードリサイクルを目指して、溶融Al合金中におけるMgとの親和力を利用した新たな不純物除去原理の検討を進めている。本年度はアルミニウム鋳造材に多用されるが溶湯からの除去が困難な元素であるSiに着目し、Mg添加による除去可能性を調査した。Mg濃度が高くなるほど、Al中Si濃度が低下すること確認し、本原理によりSiが除去できることを示すことができた。おおむね当初の計画通り研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
カーボンニュートラルの実現へ向けてアルミニウムのリサイクルは必須の課題である。現状アルミニウムスクラップは不純物許容値の高い鋳造材に主に利用されているが、鋳造材の主な用途であるエンジンブロックは自動車の電動化に伴って今後需要が減少すると考えられる。したがってアルミニウムスクラップからの不純物除去による展伸材へのアップグレードリサイクルが必要不可欠である。本研究では溶融Al合金中におけるMgとの親和力を利用した新たな不純物除去原理の検討を進めている。本年度はアルミニウム合金からの除去が困難な元素であるSiに着目しMg添加による除去可能性を調査した。次年度はアルミニウム鋳造材に含まれるが、溶湯からの除去が困難な元素であるCuに着目して検討を進める。まずCuを含むAl合金にMgを添加した場合に晶出する化合物について調査し、その後Cuの除去可能性について検討する。
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