Project/Area Number |
22KF0146
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Project/Area Number (Other) |
22F22093 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 外国 |
Review Section |
Basic Section 38050:Food sciences-related
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
松川 真吾 (2023) 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (30293096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YANG XI 東京海洋大学, 学術研究院, 外国人特別研究員
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Host Researcher |
松川 真吾 (2022) 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (30293096)
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Foreign Research Fellow |
YANG XI 東京海洋大学, 学術研究院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ジェランガム / Feイオン / 動的粘弾性 / マイクロDSC / ヘリックス構造 / イオン反発 / イオン性多糖 / 遮蔽効果 / カラギーナン / 大豆タンパク / 大豆オリゴペプチド / 動的粘弾性測定 / NMR測定 / 微粒子追跡法 / 静電相互作用 |
Outline of Research at the Start |
昨年度は多糖として海藻由来のアニオン性多糖であるカッパカラギーナン(KC)に大豆たん白(SoyPro)と大豆ペプチド(SoyPep)を混合したゲルの作成を検討した。これまでの検討では、KC /SoyPro混合系では、凝集・沈殿がみられ、これを制御するのが困難であった。KC鎖とSoyProのイオン相互作用が強すぎるからと思われる。一方、KC /SoyPep混合系では、均一なゲルを形成することが出来た。これらの現象をNMR測定によって分子運動性の変化から評価することが出来た。今年度は他の多糖/タンパク混合系におけるゲル強度などをコントロールすることでテクスチャーデザインを検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、3価カチオンを添加した場合のイオン性多糖のゲル化挙動について、マクロな物性測定を行い、さらにマイクロDSC熱力学的な測定を行う事で、ゲル構造とゲル化のメカニズムの解明に関する研究を行った。 具体的には、食品添加剤として幅広く用いられている脱アシル型ジェランガムに3価カチオンであるFe3+イオンを添加した試料について、動的粘弾性測定とマイクロDSC測定を行った。ジェランガムは、透析によってNaイオン型に変換し、さらに過剰のイオン類を除去した試料を用いた。 Fe3+イオンを単独で添加した場合には、十分な強度を持つゲルは得られなかったが、1価カチオンであるK+イオンを同時に添加した場合には、ゲル化温度が高くなるとともにゲル強度も増大した。マイクロDSC測定による水素結合の形成挙動を見ると、ゲル化温度よりも10℃以上低温でジェラン鎖の凝集構造が形成されていることが分かった。これらの結果から、Fe3+イオンはCOO-基とのイオン結合によりジェラン鎖上の同士を架橋させるが、その架橋点が陽イオンを持つために架橋点間のイオン反発によってジェラン鎖は糖鎖間の水素結合によるヘリックス構造や凝集構造を形成しにくくなるが、K+イオンを添加するとイオン反発に対する遮蔽効果によって凝集が可能となり、より低温になった時に一気に高次構造形成を見せる、という描像を示すことが出来た。 本研究により得られた研究成果は論文としてまとめ、科学雑誌に投稿中である。
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