Functional single cell analysis and drug screening in tumor organoids to target slow-growing cells
Project/Area Number |
22KF0212
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Project/Area Number (Other) |
22F22754 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 外国 |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 正宏 京都大学, 医学研究科, 特定教授 (10342990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
COPPO ROBERTO 京都大学, 医学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2024: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | がん / 多様性 / 可塑性 / 増殖運命 / 薬剤耐性 |
Outline of Research at the Start |
現在のがん治療法は、増殖速度の速いがん細胞には有効であるが、静止期や増殖の遅いがん細胞の特性や可塑性を研究する培養プラットフォームは存在しない。本申請では申請者らの開発した単一細胞の分解能で表現型を追跡する細胞培養系を用いて、増殖能の低い薬剤耐性亜集団を分離培養し、drug tolerant persister(DTP)モデルとして、その薬剤耐性や可塑性のメカニズムを in vitro, in vivoで明らかにし、新しい治療標的を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
がん治療は進歩したが、多くの場合、再発を回避できない。現在のがん治療法は、増殖速度の速いがん細胞に対して開発されてきたため、静止期がん細胞や増殖の遅いがん細胞の重要性は見落とされ、このような細胞の可塑性を研究するプラットフォームはなかった。我々は、単一細胞の分解能で表現型の追跡が可能な細胞培養系の開発に成功し、一細胞単位でアッセイする細胞の不均一性を明らかにし、さらに異なる増殖能力を持つ亜集団のうち、増殖能の低い亜集団が安定して分離培養できることを見出した。この亜集団は薬剤耐性であり、亜集団間の細胞運命の転換は分子制御を受けていることから、まさにdrug tolerant persister(DTP)の特性を示している。本研究は、腫瘍オルガノイドから純粋な薬剤耐性亜集団細胞を分離し、安定的に培養することによって、その表現型の特徴を明らかにし、新しい治療標的を開発することを目的とする。 異なる大腸癌患者由来のオルガノイドから低増殖亜集団細胞(S-cell)のライブラリーを構築した。現在までに、7つのCRCオルガノイドラインからS細胞のライブラリーの作製を完了した。合計10株を目指し、さらに3株については現在進行中である。純粋な低増殖能細胞で構成されていることを、2回目の単細胞増殖解析法で確認した。一方、S細胞におけるDTP状態の分子メカニズムを調べるため、CRIPR/Cas9スクリーニングを計画した。Cas9を安定的に発現するS細胞株を作製し、その後、MSI1遺伝子のノックアウトすることでCas9活性を確認し、さらにS細胞におけるMSI1抑制が、5-FUおよびMEK1/2阻害剤による処理後の成長と再生に影響を与えることを実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大腸癌オルガノイドにS-細胞とL-細胞が混在していること、S-細胞からL-細胞への移行は分子制御されていることを論文発表できたことは大きな進捗である(Coppo 2023 iScience)。また、S-細胞とL-細胞の薬剤耐性における役割が明らかになりつつあり、その分子機構の解明が治療標的につながる可能性がある。S細胞を傷害する薬剤のスクリーニングを計画していたが、CRISPR/Cas 9による遺伝的スクリーニングに計画を変更したが、順調に準備が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに、大腸がんオルガノイドを構成する細胞のうち、スフェロイドを形成する能力のある細胞の増殖運命は大きく異なり、小さなスフェロイドを生成する細胞(S-細胞)と、大きなスフェロイドを生成する細胞(L-細胞)に二分できることを見出した。一旦クローン化されると、S-細胞はS-細胞しか生まない(S-patternのスフェロイド増殖)が、L-細胞は必ずL-, S-細胞の両方を生む(D-patternのスフェロイド増殖)。S-細胞からL-細胞への移行は分子制御されている(Coppo 2023 iScience)。異なる大腸がん患者由来のオルガノイドからS-cellのライブラリーの構築を進めていて、最終的に10ラインとする。drug tolerant persister(DTP)における増殖運命の決定因子及びその誘導のメカニズムを明らかにする。薬剤投与直後の細胞の増殖運命はS-patternであるが、時間経過とともにD-patternに変化する。細胞運命の転換が起こるタイミングを絞り込み、遺伝子発現解析を行うことにより転換に関与する遺伝子を同定する。また、これまでにS細胞ではミトコンドリア活性が不活発であることが示唆されているので、電子顕微鏡観察により、ミトコンドリアの数、形態、局在の変化を明らかにする。S細胞を傷害する薬剤のスクリーニングを計画していたが、従来のIC50を指標にしたアッセイ法では目的とする薬剤を抽出することは困難と考えた。そこで計画を変更し、CRISPR/Cas 9による遺伝的スクリーニングに集中することとした。これまでにCas9安定発現株の導入および、複数の単独遺伝子のノックアウトに成功している。今後S-pattern スフェロイドとD-patternスフェロイドの遺伝子発現解析からS-細胞特異的遺伝子を抽出し、カスタムライブラリーでスクリーニングを行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)