Project/Area Number |
22KF0304
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Project/Area Number (Other) |
22F32027 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 外国 |
Review Section |
Basic Section 34010:Inorganic/coordination chemistry-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大場 正昭 九州大学, 理学研究院, 教授 (00284480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BORUAH PURNA 九州大学, 理学研究院, 外国人特別研究員
BORUAH PURNA KANTA 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | MXene / 配位高分子 / MOF / 多核クラスター錯体 / MOP / 酵素複合体 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、マイクロ流路センシングデバイスとして応用を目指して、複合原子層化合物であるマキシン(MXene)と配位高分子(MOF)または中空多核クラスター錯体(MOP)を用いた新規ナノ複合体(MXene-X, X= MOF or MOP)を開発する。磁気、発光および電気化学的性質を有するMXene-X 複合体にペルオキシダーゼ等の酵素を吸着させ、ナノザイムとしての活性能および食品毒の検出能を評価する。更にナノザイムのマイクロ流路デバイスへ組込みを検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、マイクロ流路センシングデバイスとして応用を目指して、複合原子層化合物であるマキシン(MXene)と多孔性配位高分子 (MOF) および多核クラスター錯体分子(MOP)を用いた新規ナノ複合体を開発する。本年度は、(1) MXeneとMOF、および(2) MXeneとMOP、からなる複合ナノシートを合成し、その機能評価を進めた。 (1)では、MXene表面におけるMOFの簡便なin situ合成法を開発し、NbCベースのMXeneの単層膜とHKUST-1, MIL-100, ZIF-8等の様々なMOFとの複合化に成功した。SEMおよび TEM観察により、負に帯電した MXene 表面と金属イオンが相互作用することで、MOF粒子の成長が促進されることを明らかにした。得られた複合体は高い電子移動特性を示し、ドーパミンおよび人体に存在するアスコルビン酸と尿酸の高感度かつ選択的電気化学センシングに成功した。この検出能は 1-100 nM の範囲で直線性を示し、検出限界は0.2 nM であった。 (2)では、TiCおよびNbCベースのMXeneを単層化し、シリルアルキルスルホン酸で表面を官能基化した。このMXeneを正に帯電させたZrベースMOPと複合化した。SEMおよび TEM観察により、MOP のMXene表面への均質な分布を確認した。この複合体はドーパミンの電気化学センシング能を示し、検出限界は 0.7nM であった。更に MOP 部位に Reイオンを導入すると、二酸化炭素の光還元能を示し、一酸化炭素への選択的変換率は87%であった。 以上の結果は、MXeneの高い導電性とMOFおよびMOPによる多孔性を兼ね備えた複合体は、様々な有機分子や無機分子に対する超高感度電気化学センサー、ならびに新しい触媒開発につながると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予定通り表面修飾したMXene膜の合成とMOFおよびMOPとの複合化に成功した。得られた複合体はドーパミンの電気化学的センシングにおいて、期待以上の検出能を示した。また、MOPとの複合体が高選択的な二酸化炭素の光還元能を示した点は、想定以上の成果と言える。MXene-MOFの複合体に関しては、既に論文を投稿した。MXene-MOFおよびMXene-MOP と酵素との複合体の合成にも成功しており、現在機能評価を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の成果より、MXene-MOFおよびMXene-MOP複合体は、ともにドーパミンに対して高感度な電気化学的センシング能を示すことを見出した。今後は機能を最適化するためのMOFおよびMOPの種類と複合化比率を検討する。 酵素との複合化に関しては、具体的にはペルオキシダーゼをMXene-MOFおよびMXene-MOP複合体に吸着させ、基質の酸化による着色反応を利用して活性を評価する。さらに、食中毒物質のOHラジカルの消費に着目して、食品毒物の検出への応用を検討する。複合体単独でもこれらの活性について評価し、酵素様活性の実現についても検討する。 マイクロ流体センシングデバイスへの応用については、インクジェット印刷やスクリーン印刷による紙ベースのデバイスを作製する。比色法や電気化学的な検出のために、最適な比色試薬やインクに含める導電性物質を検討する。
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