スプライシング異常を伴うがんに対する新規核酸医薬治療法の開発
Project/Area Number |
22KF0409
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Project/Area Number (Other) |
22F22115 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 外国 |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
吉見 昭秀 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (80609016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AILIKEN GUZHANUER 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | Splicing / ASO / 核酸医薬 / イントロン保持 |
Outline of Research at the Start |
DNAを鋳型としてRNAが転写され、RNAをもとに蛋白質が作られて細胞内で様々な働きをする。その際に未熟なRNAからイントロンと呼ばれる配列を除いて成熟したRNAとする過程をRNAスプライシングと呼ぶ。近年、がんにおいては、様々なスプライシングの異常が非常に重要な役割を果たしていることがわかってきた。そこで本研究では、がんで頻繁にみられるスプライシング異常に注目し、新型コロナウィルスのワクチンでも有名になった核酸医薬を用いてスプライシング異常を修正して、新しいがん治療に結び付けるための創薬開発を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
我々は23万例を超えるRN Aシークエンスデータを解析することにより、様々な遺伝子において、その遺伝子変異が遺伝子自体にintron retention(IR)異常を来た す変異(IRAV)が検出されることを見出した(Shiraishi Y, et al. Nat Communs. 2022)。そこで、本研究においては、IRAVを標的とする核酸医薬(ASO)を開発して、IRAVにより誘導されたスプライシング異常を修正し、抗腫瘍効果を得ることが可能かどうかを検証することを目標としている。2022年度には、がんにおいて高頻度にみられるIRAVに注目し、検出されたIRAVが実際にIRを誘導することを確認するために、癌細胞株にCRISPR Cas9システムを用いてIRAVをノックインした。その結果、実際に想定するIRが誘導さ れることをRT-PCR、RNA-seqで確認することができた。さらに、IRによってフレームシフトが発生して当該蛋白質発現が低下することや、遺伝子発現解析により標的遺伝子発現や関連するパスウェイが有意に変動することを確認した。一方、IRAVによるIRを核酸医薬により修正するために、Minigeneに対するsite-derected mutagenesisを用いて標的配列候補の検討を行ったところ、特に有望な配列が標的イントロン内に存在することが強く示唆され、標的配列候補を絞りこむことに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上記のように、2022年度には検出されたIRAVが実際にIRを誘導することを確認するために、癌細胞株にCRISPR Cas9システムを用いてIRAVをノックインした。その結果、実際に想定するIRが誘導されることをRT-PCR、RNA-seqで確認するとともに、当該蛋白質発現が低下すること、標的遺伝子発現・パスウェイが有意に変動することを確認した。一方、IRAVによるIRを核酸医薬により修正するために、Minigeneに対するsite-derected mutagenesisを用いて標的配列候補を絞りこむことに成功した。特にASOの標的配列候補の同定については、その予測が困難であることから進捗が危惧されたが、幸い有力な配列候補が同定されたことから、本研究全体の計画を想定より前倒しして勧めることができた。以上のことから、当初の計画以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、2022年度似同定した候補配列をもとにASOを複数デザインし、最適なASO配列を決定する。同定した配列をもとにASO修飾や様々なDDS技術を搭載することによりASOのさらなる最適化を図り、ASOがIRを修正し、遺伝子 機能を回復させることをCDXモデルで確認することを目標とする。また、ASOで治療後の免疫不全マウスから腫瘍組織を採取し、標的としている IRの修正レベルや遺伝子機能の回復をRT-PCR/quantitative PCR(qPCR)、RNA-seq、Western blot等で確認し、採血(血算・生化学)やRNA-seqによ る遺伝子発現解析、スプライシング解析により、薬効だけでなく毒性やOff target効果についても調査する。さらに、薬物動態解析を並行して 実施することにより、ASOが作用部位に到達しているかどうかを検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
(20 results)