Project/Area Number |
22KF0423
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Project/Area Number (Other) |
21F20770 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 外国 |
Review Section |
Basic Section 17050:Biogeosciences-related
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
野牧 秀隆 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究開発プログラム), 上席研究員 (90435834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SALONEN IINES 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究開発プログラム), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2023: ¥936,380 (Direct Cost: ¥936,380)
Fiscal Year 2022: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 単細胞真核生物 / 共生 / 遺伝子発現解析 / マイクロバイオーム / 底生有孔虫 / シングルセルゲノミクス |
Outline of Research at the Start |
本研究では、海底での生物地球化学サイクルで有孔虫が特に重要な役割を果たしている、貧酸素海域堆積物の有孔虫細胞内にみられる原核生物や他生物由来の細胞小器官についてを分子系統解析を用いて明らかにするとともに、細胞生物学的手法、電子顕微鏡観察などを用いてその局在、有孔虫細胞との関連性を明らかにする。さらに、研究協力者らとともに有孔虫および共生している原核生物のゲノム解析、遺伝子発現解析を行う。これらの解析を、異なる有孔虫種間、堆積物中の異なる環境から採取した個体間で行って比較することで、周囲の環境に応じて有孔虫がどのような系統、代謝機能を持つ原核生物と共生して適応しているのかを解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
底生有孔虫Chilostomella ovoidea細胞内に見られる、葉緑体様構造、および藻類由来のミトコンドリアのFISHによる局在観察を行い、有孔虫細胞内に藻類由来の細胞小器官が局在(葉緑体様構造)、偏在(ミトコンドリア)していることが確認された。ミトコンドリアについては、有孔虫オリジナルのミトコンドリアとそれぞれがクラスター状に分布しているようであり、これは透過型電子顕微鏡像で見られた細胞質とミトコンドリアの塊状のクラスターに相当すると推測された。沖縄の研究協力者とともに、それぞれの細胞小器官についてゲノムを構築することに成功し、葉緑体様構造ではおそらく数十万年以上前に有孔虫細胞内に取り込まれ細胞小器官として機能していること、光合成能がほとんど失われており機能が非常に限られていること、アミノ酸の代謝と硫黄代謝に関連した機能が推測されること、が明らかになった。また、ミトコンドリアも同様に藻類から取り込まれゲノムが縮退し有孔虫のミトコンドリアと共役していることが示唆された。その他、相模湾漸深海帯から採取した有孔虫についても共生微生物のゲノム解析、局在解析を行い、種ごとに異なる微生物がおそらく異なる代謝機能を持って有孔虫と共生していることが示された。これらの結果について論文にとりまとめるとともに、6月にイタリアで行われた国際学会で成果を発表した。なお、2023年度の研究期間は4月から8月の5か月間である。
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