サケの自然産卵はなぜ重要か?流域管理を考慮した個体群管理手法の検討
Project/Area Number |
22KJ0069
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Project/Area Number (Other) |
22J11475 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 64040:Social-ecological systems-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 太平 北海道大学, 地球環境科学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | サケ科魚類 / 再生産効率 / 分断化 / 溯河性サケ科魚類 |
Outline of Research at the Start |
自然資源の持続可能な利用は、自然共生社会の実現のために不可欠である。サケは世界的に高い経済的価値を持つ自然資源であるが、ダムによる河川の分断化や自然産卵を妨げる人工孵化放流による個体群管理の継続が、個体群の存続に負に影響している。持続可能な個体群管理への転換のためには、分断化の改善を考慮した上で、自然産卵によってどの程度の資源を維持しうるかという科学的根拠の集積が必要である。本研究では、サケの産卵適地に対する分断化の影響と、サケの再生産効率を評価し、自然産卵と河川管理を利用した新たな個体群管理手法を提示することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、サケ類の産卵適地地図(昨年度にニューラルネットワークを用いて作成)において適地と判定された区間が、実際にサケの産卵に利用されているかどうかを検証した。2023年の11月に、北海道全域の20河川(チマイベツ川、ルシャ川、斜里川、北見幌別川、別寒辺牛川、厚沢部川、日高門別川など)において、産卵床のカウント調査を実施した。調査区間は、産卵適地地図における適地と不適地から河川ごとに一つずつランダムに選択した。そして、調査後に適地と不適地間で産卵床密度の比較を行った。その結果、適地と判定された区間では、産卵床密度が顕著に高いことが示された。このことから、作成した産卵適地地図が一定の精度を有することが示唆された。 また、前年度までに取得したカラフトマスの再生産効率のデータをもとに、知床半島を対象として、気候変動が進行した場合の再生産効率の予測を行った。その結果、気候変動によって降水量が増加した場合、再生産効率が現在よりも顕著に低くなるが、傾斜が緩やかな流域では再生産効率が高く維持されることが明らかとなった。再生産効率の規定要因の検証と、気候変動の影響評価を行った論文は、淡水生物学に関する国際誌であるFreshwater Biology誌に掲載された(Yamada T, Urabe H, & Nakamura F. (2024) Pink salmon productivity is driven by catchment hydrogeomorphology and can decline under a changing climate. Freshwater Biology 69(3): 376-386.)。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)