数理モデルを用いたイネ草姿形成機構の解明と遺伝情報に基づく表現型予測への応用
Project/Area Number |
22KJ0106
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Project/Area Number (Other) |
22J20329 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 39010:Science in plant genetics and breeding-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
徳山 芳樹 北海道大学, 農学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | イネ / 野生イネ / 重力屈性 / ライブイメージング / 栽培化 / 分げつ角度 / フォトグラメトリ / 数理モデル |
Outline of Research at the Start |
イネの野生種を含むいくつかの単子葉植物では、地面を這うように倒れた形をしている。この際、横向きに生えた上で「積極的に起き上がらない(茎が曲がらない)」ことで倒れている枝(分げつと呼ぶ)とは対照的に、全ての分げつの大元である主稈は、上向きに生えた上で「積極的に茎が曲がる」ことで倒れる。イネ野生種を用いて、どのような細胞や組織の形の変化が主稈の傾き具合を制御しているのかを明らかにすることが、本研究の目的である。特に、主稈には重力に逆らって起きあがろうとする性質も同時に備わっており、「倒れる」「起きる」という2種類の相反する動きがどのようなバランスで最終的な形を作っているのかに着目する。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的は、特に重力に応答して起き上がる動き(重力屈性)と、逆に倒れようとする動き(反重力屈性オフセット)に着目し、どのようにイネ野生種の放射状草姿が決定されるのかを明らかにすることである。 反重力屈性オフセットの解析として、イネ野生種背景でイネ草姿に関わる遺伝子が栽培種の遺伝子型に置き換わった系統を用い、クリノスタット装置による擬似無重力環境での表現型解析を行うことに成功した。さらに、栽培種背景・野生種背景の両方向の準同質遺伝子系統を利用した重力屈性解析も順調に実施し、重力屈性の解析も進んでいる。 大きな成果として、これまで正立型顕微鏡でしか行えなかったイネ葉原基のライブイメージング法を、より一般的な倒立型顕微鏡でも行えるように改良し、データ取得を進められるようになったことである。これにより、四次元画像解析ソフトウェアMorphoGraphXによる解析を通して、細胞の成長率や成長方向・細胞分裂等の詳細な成長解析を行うことができるようになった。また、特定の遺伝子発現に着目した蛍光タンパク質の検出をライブイメージングで行うことに成功したため、細胞の分化状態にも着目した解析が可能になった。また、こちらのライブイメージング実験については、日本育種学会講演会で口頭発表を行い、優秀発表賞を受賞した。 さらに、イネ野生種の草姿に関わる遺伝子の準同質遺伝子系統を用いた表現型解析を主軸とした、令和4年度から執筆・投稿作業を進めていた英語論文をPlanta誌に投稿し、受理・出版された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
重力屈性解析や、反重力屈性オフセットを利用した表現型解析や遺伝子発現解析実験は予定通り進んでいる。 葉原基のライブイメージング技術の開発とそれを用いた解析については、当初予定していたよりも精度の高いデータを取得できるように手法を改良でき、データ取得のスピードも予定を上回っている。 また、英語論文の出版や学会発表についても概ね予定通り進んでいる。今後用いる予定の実験材料(野生イネ背景のlazy1変異体)の作出が想定よりも時間がかかっているが、技術的な障壁は解消され作出の目処が立っているため、上記の予定以上の進捗状況と併せて、おおむね計画通りであると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の計画として、日本で実施可能となったライブイメージング解析により、遺伝子発現の時空間的変動や細胞の動態を詳細に解析し、葉の形態と、それが植物個体の姿勢制御に及ぼす影響を調査する。さらに、網羅的に細胞の成長を解析できてしまうため、得られた細胞の成長パターンが器官および個体の形態にどのように寄与するのかを明らかにする必要がある。そこで、イネの葉の形態に変異がある系統や、イネと似通った成長をするが細部は異なる形態を示すコムギやトウモロコシといったイネ科植物を併用し、解析で得られた成長パターンの効果を検証する。また、数理モデリングを通して、葉や植物の姿勢が出来上がる過程のシミュレーションも行い、解析結果の効果を理論的に推測する研究も行う。 重力屈性・反重力屈性オフセットの効果の解析は、表現型解析・網羅的遺伝子発現解析・新規実験系統(重力屈性変異体)の作出を通して継続する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)