Project/Area Number |
22KJ0118
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Project/Area Number (Other) |
22J20957 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 61050:Intelligent robotics-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
海老名 光希 北海道大学, 情報科学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 腹腔鏡手術 / 手技計測 / データ解析 / トレーニングシステム / 技量評価 |
Outline of Research at the Start |
本研究では内視鏡手術の一種である腹腔鏡手術を対象に,訓練として行う模擬手術時の術具の動作計測を通じて医師の技量習熟過程の解明と外科教育への活用を目指す.腹腔鏡手術は患者への負担が小さい利点より広く普及している反面,術者には高い技術が要求され効率的な技量習熟が求められている.そのため,実践的な手術訓練の一種である献体を用いた模擬手術での術具の動態計測を通じて,経験に基づく暗黙知であった技量習熟過程を明らかにする.さらに機械学習を活用した技量評価手法を検討し,手技ごとに定量的かつ技能別フィードバックが得られるシステムを開発することで,医師の技量習熟の効率化と医療安全の向上を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では実践的な腹腔鏡手術訓練の一種である献体を用いたカダバートレーニングにおける医師の技量評価と,ブタ臓器を用いた模擬手術訓練(ウェットラボトレーニング)における機械学習を利用したトレーニングシステム開発の2点を主な目標としている. 実践的な腹腔鏡手術手技の技量評価については,北大医学部腎泌尿器外科学教室で実施されているカダバートレーニングにて手技計測を行い,今年度は計10件の左右腎摘除における鉗子動態データを取得した.加えて,これまでに取得した計測データ(34件)を基に異常値・欠損値等に対する補正処理手法の開発を行ったほか,腹部以外での術具の動きを除外するための関心領域の設定を行い,手術技量解析に向けたデータ処理手法を確立した. 機械学習を用いた技量評価システム開発に関しては,機械学習モデルに対する説明・解釈手法の一種であるSHAPを適用することで,これまでの研究にて開発したブタ臓器を用いたウェットラボトレーニングにおける評価モデルを分析・検証した.本手法の適用により,評価モデルが重視している特徴量を解明するとともに,個々の被験者への評価値に関する判断根拠の可視化に成功した.さらにその成果を取り込むことで,トレーニングを行ったその場でフィードバックが得られるオンサイトトレーニングシステムを開発した.そのほか,時系列データ解析ライブラリであるTsfreshを用いた追加解析をウェットラボ計測データに対して実施し,初心者ほど小刻みな動作を繰り返していることや操作のスムーズさに違いがあることを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実践的な腹腔鏡手術手技の技量評価に関しては,術場環境下での手技計測システム開発の内容でフルペーパー査読付き国際会議(SII2023)にて発表を行い,若手奨励賞に相当するSICE International Young Authors Awardを受賞した.また,データ計測についても今年度計測分10件を含めてこれまでに計44件のカダバートレーニングにおける鉗子動態データを取得しており,技量解析を実施するにあたり必要最低限度のデータの確保に成功した.そのほか,異常値・欠損値を含んだ計測データの補正手法についても開発に成功し,今後の技量解析に向けたデータ処理基盤を整えるなど,おおむね当初計画通りに進捗している. 機械学習を用いた技量評価システム開発に関しては,基盤となる機械学習を用いたクラス分類に基づく術者の技量評価に関する論文が科学雑誌PLoS ONEに採択・掲載された.また,学習済み機械学習モデルに対する解釈手法を適用することで,具体的な評価根拠を伴う詳細なフィードバックを術者に提供することが可能となった.これらの一連の成果を盛り込んだオンサイトトレーニングシステムの開発も完了しており,当初の年次計画に対し遅滞なく進捗している.
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Strategy for Future Research Activity |
実践的な腹腔鏡手術手技の技量評価に関しては,これまでに取得した44件の計測データを対象としてタスク全体に関する技量解析を実施し,初心者と熟練者における技量差を定量的に明らかにする.また,医師協力のもと手作業でのタスクのセグメンテーションを行い,手術パートごとの詳細な技量解析についても準備を進める.そのほか,更なる計測データの質の改善を目指して,従来用いている光学式モーションキャプチャに加え,慣性計測装置(IMU)および測距センサの併用による新しい計測手段も開発中であり,次年度中の精度検証を予定している. 機械学習を用いた技量評価システム開発に関しては,今年度末より評価の外部検証と課題抽出を兼ねた予備計測実験を実施中である.次年度中に予備実験結果を踏まえたシステムの改良を行うとともに,教育効果の検証を目的としたランダム化比較試験によるラーニングカーブ取得を予定している.また,前述のTsfreshによる時系列データ解析結果を機械学習モデルに取り込むことで,評価精度の向上や新たな観点での術者技量の評価を目指す.
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