Study of interaction and evolutionary mechanism of plant virus coinfection
Project/Area Number |
22KJ0140
|
Project/Area Number (Other) |
22J22297 (2022)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 39040:Plant protection science-related
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川久保 修佑 北海道大学, 農学院, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | ウイルス学 / 進化 / 宿主適応 / 植物病理学 / 分子系統学 / 混合感染 / RNAサイレンシングサプレッサー / ベイズ推定 |
Outline of Research at the Start |
自然界では、ほとんどの植物においてウイルスの混合感染が認められる。ウイルスは、宿主や取り巻く環境に適応しながら進化するため、混合感染時のウイルス間相互作用も自身の進化に大きく影響を与えてきたと考えられる。ニンニクは、ウイルスの混合感染が顕著にみられる例の一つであり、リーキ黄色条斑ウイルス (LYSV)、タマネギ萎縮ウイルス (OYDV)、アレキシウイルスなどが高確率で混合感染している。そこで、ニンニクに着目して、ウイルス間相互作用に重点を置きウイルス進化のメカニズム解明を目指すとともに、ウイルス間相互作用の生化学的メカニズムをタンパク質の反応レベルで説明した進化研究のモデルケースを創り出す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
ウイルスは、宿主や取り巻く環境に適応しながら進化するため、混合感染時のウイルス間相互作用も自身の進化に大きく影響を与えてきたと考えられる。ニンニクには、多くのウイルスが頻繁に混合感染しているが、中でもリーキ黄色条斑ウイルス (LYSV)は、ニンニク産業に大きな被害を与えている重要病原ウイルスである。LYSVは自身がコードするP1タンパク質のN末端に68アミノ酸の欠失を持つタイプ(S-type)と持たないタイプ(N-type)に分けられる。北海道で栽培されていたニンニクを調査すると、両タイプが混合感染しているニンニクが新たに発見され、分子系統解析の結果、S-typeは北海道外から侵入してきたことが明らかとなった。また、LYSVは、宿主のウイルス防御応答を抑制するRNAサイレンシングサプレッサー(RSS)であるHC-Proを持ち、P1はその機能を促進する因子であることが知られている。そこで、両タイプのP1およびHC-Proを植物細胞内で発現させ、RSS活性を測定した。タマネギ表皮細胞を用いた場合、S-typeのP1はHC-Pro非存在下でも単独で強力なRSS活性を示し、この活性はN-typeでは認められなかった。また、フィールド調査より、本州に分布するS-typeは、栽培ニンニクだけでなく、野生植物からも容易に見つかることが明らかになった。これらの結果より、S-typeはP1の一部を欠失させたことにより、高いRSS活性を有し、N-typeよりも広い宿主域を持つように進化してきたことが示唆された。S-typeは現在一部地域のみでしか分布が報告されていないが、N-typeとの混合感染が可能であることからも、今後集団構造が変化する可能性もあると思われる。 以上については、論文として公表し、国際誌The Plant Pathology Journalに掲載された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、混合感染しているウイルスが持つ進化的戦略を描出することができた。 また本研究成果をまとめた論文は、既に国際誌The Plant Pathology Journalに掲載されている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度の研究成果より、ウイルスのRSS活性が宿主適応に大きく関わっていることが示唆されたため、ポティウイルスとネギ属植物の共進化機構の要因にも迫れる可能性が新たに見出された。引き続き、混合感染時のウイルス間相互作用がウイルス進化にどのように影響を与えているのかについて研究を進めていくとともに、今後はウイルスと宿主の相互作用がどのように互いの進化を推進してきたのかについても迫りたい。
|
Report
(1 results)
Research Products
(9 results)
-
-
-
[Journal Article] Leek yellow stripe virus can adjust for host adaptation by trimming the N-terminal domain to allow the P1 protein to function as an RNA silencing suppressor.2022
Author(s)
Sasaki, J., Kawakubo, S., Kim, H., Kim, O.-K., Yamashita, K., Shimura, H. and Masuta, C.
-
Journal Title
Plant Pathology Journal
Volume: 38
Issue: 4
Pages: 383-394
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-
-