Project/Area Number |
22KJ0144
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Project/Area Number (Other) |
21J23513 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 63030:Chemical substance influence on environment-related
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
Chen Xing 帯広畜産大学, 畜産学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 環境エストロゲン / ビスフェノール類 / 発達神経毒性 / ゼブラフィッシュ / 内分泌かく乱 / エストロゲン様作用 / エストロゲン受容体 / 循環障害 / 行動解析 / 環境化学物質 / 抗アンドロゲン様作用 / 農薬 |
Outline of Research at the Start |
ビスフェノールA(BPA)など一部の環境エストロゲンは、低用量で中枢神経系に作用し児動物の行動を撹乱するという報告がある。最近では、増加する子どもの発達障害と環境エストロゲン曝露の関係性を示唆する疫学知見も増えてきている。本研究の計画は、ゼブラフィッシュ胚をモデルとして、多様な環境エストロゲンが低用量で発達神経毒性を誘発するか検証すること、及び毒性が認められた化合物についてはその作用機序を解析することである。本研究により、低用量の環境エストロゲンが誘発する発達神経毒性について、分子・細胞・組織・個体レベルの各階層で重要な事象を抽出し、有害性に至る経路を明らかにすることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は主に以下の成果を得た。 (1)ゼブラフィッシュ胚に5種のビスフェノール類をそれぞれ曝露し遊泳行動を評価した。曝露は受精後4時間(hpf)に開始し、120 hpfにおいて10分間の明期を4サイクル(連続明期試験)、その後10分間の暗期と10分間の明期を交互に3サイクル(明暗切替試験)行い、行動解析を実施した。評価項目は、連続明期試験における総遊泳距離(TSDL1)、明暗切替試験における明期での総遊泳距離(TSDL2)、暗期での総遊泳距離(TSDD)、および暗期での接触走性 thigmotaxis(T)とした。試験したほとんどの化合物は各パラメーターにわずかに影響を与えたが、BPAFの影響は統計学的に有意であった。詳細には、BPAFは3uMで稚魚のTSDL1、TSDL2、TSDDおよびTをいずれも有意に増加させるとともに、濃度依存的な増加傾向も示した。このことから、BPAよりもエストロゲン活性の高いBPAFにおいて稚魚の過活動と不安様行動が示唆された。 (2)エストロゲン受容体(ER)の標的遺伝子であるCYP19A1bを指標として、17β-エストラジオール(E2)誘導性のCYP19A1b発現に対する阻害効果を測定することにより、ビスフェノール類の抗エストロゲン性を評価した。BPAF、BPA、BPF、BPB、BP C2およびBis-MPは、E2誘導性のCYP19A1b発現を抑制したことから抗エストロゲン作用が示唆された。次いで、インシリコ解析によりゼブラフィッシュERサブタイプのアンタゴニスト様式のホモロジーモデルを構築し、各化合物とのドッキングシミュレーションを行った。その結果、ビスフェノール類のERに対するアンタゴニスト様式の結合特性は、昨年度までに明らかにしたアゴニスト様式の結合特性と異なり、このことはERβ2で顕著であった。したがって、ビスフェノール類のアゴニスト活性とアンタゴニスト活性の区別にERβ2が関与している可能性が示唆された。
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