Project/Area Number |
22KJ0151
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Project/Area Number (Other) |
22J23343 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 44050:Animal physiological chemistry, physiology and behavioral biology-related
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
上野山 怜子 岩手大学, 連合農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ネコ / 嗅覚 / 遺伝 / 進化遺伝学 / イリドイド / 進化生物学 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、ネコがマタタビに特異に反応する分子メカニズムを明らかにすることである。具体的には、ネペタラクトールに対する末梢化学受容体を同定し(研究1,研究2)、同定した受容体の遺伝子多型によってマタタビ反応性の個体差が説明できるか検証する(研究3)。また、同じ受容体がネペタラクトンやマタタビラクトンなど他の活性物質にも応答するか明らかにする(研究3)。
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Outline of Annual Research Achievements |
成果1:マタタビ有効成分に応答するネコ嗅覚受容体の同定:昨年度に引き続き、ネコ嗅覚受容体を発現させた培養細胞を準備して、培地にマタタビ活性物質を加え、細胞内cAMP濃度上昇を指標としてリガンドに特異的に応答する嗅覚受容体をスクリーニングした。その成果として、800個以上のネコ嗅覚受容体からネコに活性のある化合物特異的に反応する嗅覚受容体候補を14個に絞り込むことができた。
成果2:マタタビ反応性と相関する遺伝子多型の探索:成果1で見出した14個の嗅覚受容体遺伝子からマタタビ反応に重要なものを絞り込むため、マタタビ反応陽性ネコ24頭と陰性ネコ15頭の間で遺伝子配列に差があるか、次世代シーケンスのデータをもとに調べた。結果、1個の受容体では、コーディング領域や発現制御に関わると推定される5’上流領域に塩基多型が多数存在していたものの、マタタビ反応陽性ネコ24頭と陰性ネコ15頭の間で明確に異なる変異は無かった。
成果3:ネコ科動物におけるマタタビ反応性の種差解明:これまでネコ科動物全般でマタタビ反応が見られるとされていたが、ネコ科8属全てを検証した報告は無い。そこで全国の動物園にマタタビ研究への協力をお願いして、これまで20の動物園で飼育されている162頭のネコ科動物で行動試験を行うことができた。結果、ネコでは約3割いると報告されている陰性個体の割合が、種によって大きく異なり、トラなど一部の種では陽性個体が見つからないものもあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ネコで有力なイリドイド受容体候補を絞り込むことはできたが、まだ種差と個体差を決定づけるものを特定できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
成果2:スクリーニングに用いた嗅覚受容体ライブラリの元となったネコ参照ゲノム配列の由来となった個体がマタタビに反応するか行動試験を行ってみたところ、マタタビ反応陰性であることが分かった。よって、陰性個体由来の受容体ライブラリの中には、マタタビ反応を司る受容体が欠損している可能性が高く、現在は陽性個体のゲノム上にだけ存在する嗅覚受容体機能遺伝子を探索している。
成果3:詳細な解析結果を夏頃までに論文にまとめる予定である。加えて各個体のDNA試料を収集して、成果2の結果も踏まえてマタタビ反応性の種差・個体差に関わる遺伝子同定を試みる。
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