個体を用いたタンパク質翻訳の定性・定量解析によるミトコンドリア病発症機序の解明
Project/Area Number |
22KJ0156
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Project/Area Number (Other) |
21J00143 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 42040:Laboratory animal science-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷 春菜 東北大学, 加齢医学研究所, 特別研究員(PD) (70930303)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | ミトコンドリア / ミトコンドリアゲノム / タンパク質翻訳 |
Outline of Research at the Start |
ミトコンドリアゲノム(mtDNA)は電子伝達系に必須な遺伝子群をコードしており、これらの翻訳は全てmtDNAに由来するミトコンドリアtRNA(mt-tRNA)により行われる。mt-tRNAに生じる点変異は多様な疾患に認められるため、ミトコンドリアタンパク質翻訳の破綻がミトコンドリア関連疾患の主要因であると考えられる。しかし、個体におけるミトコンドリアタンパク質翻訳解析は技術的に困難であり、mt-tRNA点変異に起因する疾患発症の分子機構は不明である。本研究は、個体レベルでのミトコンドリアタンパク質翻訳の可視化ツールを開発し、mt-tRNA点変異によるタンパク質翻訳障害の分子機構の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
ミトコンドリアゲノム (mtDNA) は電子伝達系に必須な遺伝子群をコードしており、これらの翻訳は全てmtDNAに由来するミトコンドリアtRNA (mt-tRNA) により行われる。mt-tRNAに生じる点変異はミトコンドリア病をはじめとする多様な疾患の原因となることが知られており、ミトコンドリアタンパク質翻訳の破綻がミトコンドリア関連疾患の主要因であると考えられる。しかし、個体におけるミトコンドリアタンパク質翻訳解析は技術的に困難であり、mt-tRNA点変異に起因する疾患発症の分子機構は不明、かつ、ミトコンドリア翻訳を標的とする治療法や治療薬は開発されていない。 本研究は、ミトコンドリアタンパク質翻訳を可視化する新規ツールの開発により、ミトコンドリアゲノムに生じる病原性変異によるタンパク質翻訳障害の分子機構およびミトコンドリア病をはじめとした様々な代謝疾患の発症原因を明らかにする事を目的としている。現在は、細胞質におけるタンパク質合成の解析手法として用いられているSUnSET法をミトコンドリアへ応用することでミトコンドリアタンパク質翻訳をモニタリングする方法を着想し、仮説検証を進めている。前年度は候補となる化合物を数種類合成し、培養細胞へ添加することで、ミトコンドリアへの局在の最適化の検討を行った。 今後は化合物の最適処理条件やマウス個体への応用に向けた検討を重ね、定量的かつ簡便なミトコンドリア内のタンパク質翻訳測定にむけたプロトコルの確立を図る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究開始当初、申請者は非典型アミノ酸メチオニンアナログであるAzidnorleucine (Anl) を取り込むことができる変異型Methionyl-tRNA synthetase (MARS)に着目し、変異型MARSをミトコンドリアに局在させることでミトコンドリアタンパク質翻訳をモニタリングする方法の検討を行った。昨年度は、MARS1変異体およびMARS2変異体の両者において、ミトコンドリア内のタンパク質翻訳のモニタリングにむけ、条件検討を行ったが、再現性を持って定量的にミトコンドリアタンパク翻訳を評価しうるレベルには達さないと結論した。従って、これまでの実験戦略を大幅に変更し、新たなミトコンドリアタンパク質翻訳の可視化ツール案として、細胞質におけるタンパク質合成の解析手法として用いられているSUnSET法を基に、ミトコンドリア内翻訳解析への応用に向けた検討を行っている。こうした研究仮説の転換により、進捗状況はやや遅れていると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までの研究結果より、ミトコンドリアに選択的に集積する特性を持つことでしられているカチオン性分子とPuromycinからなる化合物を合成し、そのうち一部はミトコンドリアに局在することが確認されている。従って、最終年度となる今年度は、化合物の処理条件の検討を行うと共に、ミトコンドリア病患者由来の培養細胞などに添加することで、ミトコンドリア内のタンパク質翻訳能の低下を定量的に測定可能であるかどうかを確かめる必要がある。 また、個体でのミトコンドリア内でのタンパク質合成解析への応用に向けて、マウスの尾静脈より化合物を注入し、免疫蛍光染色によるミトコンドリアタンパク質翻訳の可視化の検証、および、最適条件の検討を行いたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)