3次元微細構造観察と数値解析による海洋リソスフィア含水化の時空間発展の解明
Project/Area Number |
22KJ0168
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Project/Area Number (Other) |
21J20281 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 17040:Solid earth sciences-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉田 一貴 東北大学, 環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 蛇紋岩化反応 / 水素生成 / 岩石ー水反応 / オマーンオフィオライト / 蛇紋岩 / 微細構造解析 / 岩石ー水相互作用 / 沈み込み帯 / 海洋リソスフェア |
Outline of Research at the Start |
海洋リソスフィアの蛇紋岩化は、地球内部と表層を結ぶ水循環および物質移動に重要な役割を果たしていると考えられている。しかし、これまでに海洋底において海洋リソスフィア深部の試料は得られておらず、蛇紋岩化の正確な度合いは明らかとなっていない。また、蛇紋岩化はその反応前後における体積変化により応力が生じ、岩石が破壊しながら反応が進行する。このことが、実質的な反応速度の制約を難解にしている。本研究では破壊ー反応ー流体移動を組み込んだ数値シミュレーションとオマーンオフィオライトの岩石試料の観察から、蛇紋岩化の進行プロセスの要因を解明し、海洋リソスフィアにおける蛇紋岩化度の制約を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、オマーンオフィオライトの下部地殻―上部マントルの連続掘削試料の岩石組織の観察と鉄の酸化還元状態の測定を、昨年度から継続して行うことで、海洋リソスフィアの蛇紋岩化における水素発生ポテンシャルを調査した。蛇紋岩中の水素発生量と水素発生量を支配する因子を明らかにするため、放射光X線吸収微細構造(XAFS)解析を用いた鉄の酸化還元状態の解析を行った。岩石中の鉄の酸化還元状態の空間分布を明らかにするために、2次元イメージングXAFS測定を行った。その結果、網目状組織を伴う蛇紋石に含まれる全鉄のうち、25-46%は三価の鉄であることが明らかになった。岩組成分析と各鉱物の鉄の含有量、岩石組織の観察から、各岩相における磁鉄鉱と蛇紋岩の水素生成への寄与と水素生成段階について調べた。その結果、網目状組織を伴う蛇紋岩化が主な水素発生ステージであることがわかった。また、下部地殻の斑れい岩では、水素発生においてマグネタイトの寄与が大きいのに対して、ダナイトや上部マントルのハルツバージャイトでは蛇紋岩の寄与が大きいことが明らかになった。これは、岩相によって水素発生量と水素発生を担う鉱物が変化し、マグネタイトが形成されにくい場合でも三価の鉄を含む蛇紋石の形成によって水素が発生することを示唆する。これらの結果は、蛇紋岩化反応における水素発生プロセスのさらなる理解につながるものである。
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Report
(3 results)
Research Products
(24 results)