Project/Area Number |
22KJ0231
|
Project/Area Number (Other) |
22J10827 (2022)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 03030:History of Asia and Africa-related
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 竜一 東北大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2022: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
|
Keywords | 軍事 / 王権 / 国制 / 将軍 / 都督 / 監軍 / 皇帝親征 / 後漢魏晋 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、帝政中国において軍はいつ皇帝が統御すべきものと見なされるようになったのか、その歴史的経緯を明らかにすべく、<皇帝親征><監軍>の二点からアプローチを行うものである。前者については、皇帝親征が一般的ではなかった1~2世紀についての分析を昨年度に実施したので、本年度はそれが一般的になる3~6世紀の分析を行い、皇帝が軍を率いることに対する考え方の違いについて、前時代との比較を行う。後者の〈監軍〉についても1~3世紀までの分析を前年度に終えたので、本年度は4~6世紀の分析を行い、皇帝が軍を監視することに対する考え方の違いについて、前時代との比較を行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、中国中世の軍事文化に関して、軍はいつから皇帝のものとなったのかということに焦点を当てた。特に、皇帝による親征の事例等の分析を通じて、皇帝の有する軍権に関して調査・考究し、さらに監軍の研究を通じて、皇帝と将帥の関係性について解き明かした。本年度では、昨年度に引き続き、〈皇帝親征〉〈監軍〉の両者について、5世紀までの事例の分析を行った。 まず、昨年度の成果の発表については次の通りである。〈皇帝親征〉に関しては、後漢時代までの皇帝の有する軍権認識について、青木竜一「東漢時代作為“敵国”的軍隊:国制上的一種軍隊模式」(第十四届中国中古史青年学者聯誼会、2023年8月27日)、および青木竜一「後漢・霊帝の軍制改革と将軍自称」(第121回史学会大会、2023年11月12日)と題して口頭発表を行い、前者についてはすでに論文を発表し(『第十四届中国中古史青年学者聯誼会』2023年8月)、後者についてはその口頭発表に基づく論文を現在執筆中である。そして、〈監軍〉に関しては、青木竜一「後漢の監軍――君主と将帥の関係性に注目して――」(第72回東北中国学会大会、2024年5月25日)と題して口頭発表を行うことが決定している。 本年度の研究では、概ね次のような成果を得た。軍はいつから皇帝のものとなったのかという問いに対して、それは魏晋期(3~4世紀)であると結論付けることができる。そうなった背景としては、後漢時代の1世紀後半における軍制改革以降、将軍就任者の出自が大きく変わったことがあり、それに伴い軍事運用が変容していき、漢魏交替の後、魏王朝により制度化が行われ、それを継承した晋王朝によって確立を見るに至った。その詳細についても、今後順次口頭発表および論文発表を行う予定である。
|