脳梗塞時に発揮される超可塑性メカニズムのリハビリ応用
Project/Area Number |
22KJ0262
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Project/Area Number (Other) |
22J13419 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐々木 大地 東北大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 脳血管運動 / 視覚刺激 / 小脳運動学習 / 血管運動可塑性 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、血液灌流を促進する機能を持つ脳内の血管運動を人為的に増幅し、脳梗塞後の血液灌流を促進することで、発症後のリハビリを加速させることを目指している。これまで、特定のパターンの視覚刺激を繰り返し与えることにより、一定のリズムの血管運動を人為的に誘発し、血管運動の振幅を徐々に増大させることに成功している。そこで、次に、脳梗塞時に血管運動がどのように影響されるかを調べる。さらに、最適な視覚刺激条件を用いて血管運動を人為的に制御することにより、虚血時の血液灌流を促進し、脳梗塞からの機能回復を加速させることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
低周波の血管運動には、血液灌流を促進する機能があると考えられている。本研究では、脳内の血管運動を人為的に増幅し、脳梗塞後の血液灌流を促進することで、発症後のリハビリを加速させることを目指している。本年度は、蛍光マクロ実体顕微鏡を用いて、全脳的な血流動態を継時的に観察する実験系を確立した。また、特定のパターンの視覚刺激を与えることにより、一定のリズムの血管運動を人為的に誘発することに成功した。さらに、視覚刺激を繰り返すことで、誘発された血管運動の振幅が増大することが判明した。次年度では、最も血管運動が増幅する最適な視覚刺激条件を探索し、さらには誘発血管運動の場所特異的な性質を調査する。その上で、脳梗塞のような虚血時に、脳内における血管運動がどのように影響されるかを調べる。さらに、光遺伝学を用いて血管運動を制御することにより、虚血時の血液灌流を促進し、脳梗塞からの機能回復を加速させることを目指す。脳は、神経・グリア・血管の三位一体であり、脳が機能するのに必要なエネルギーは、スマートグリッドを伝わる電力のように適切に配分される。脳梗塞後の超可塑性を支えるメカニズムの候補として脳血管運動と情報処理の連関に注目し、効果的リハビリ法の確立を視野に入れる。本年度に明らかとなった視覚刺激による脳血管運動の亢進により、脳梗塞からの機能回復を促進させることができれば、非侵襲的なリハビリ法のヒトへの応用が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2022年度においては、まず、蛍光マクロ実体顕微鏡を用いて、全脳的な血流動態を継時的に観察する実験系を確立した。そこで、特定の周波数を持つ視覚刺激を与えることにより、視覚刺激と同じ周波数のリズムで拡張・収縮を繰り返す血管運動を、視覚皮質において人為的に誘発することに成功した。さらに視覚刺激を続けると、血管運動は徐々に振幅を増し、視覚皮質以外の大脳皮質でも、視覚刺激と同じ周波数で血管運動が起きることがわかった。この特定周波数を持つ視覚刺激により、眼球運動学習が起きることがわかっているが、眼球運動学習が起きるとともに、血管運動にも可塑性が見られることを見出した。なお、脳血管体積が野生型マウスの自家蛍光量と反転することを見出しており、自家蛍光を観察すれば、血管に色素を投与せずとも、非侵襲的に脳血管体積を測定することが可能である。これにより、眼球運動学習と血管運動可塑性の関係性を、色素投与時の麻酔の影響なく観察することが可能となった。脳梗塞のような虚血時には、梗塞部位および梗塞巣周辺部位(ペナンブラ)における血管運動が減弱していることが推測される。この減弱した血管運動を人為的に賦活化することで、脳梗塞からの回復力が亢進する可能性が考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度においては、特定の周波数を持つ視覚刺激を与えることにより、視覚刺激と同じ周波数のリズムの血管運動を人為的に誘発することに成功した。そこで、2023年度においては、最も血管運動が増幅する最適な視覚刺激条件を探索し、さらには誘発血管運動の場所特異的な性質を調査する。誘発血管運動の場所特異性を生み出すメカニズムを調べるため、誘発血管運動と神経活動との関係性を探る予定である。そのために、血流イメージングと神経活動記録を同時に行う必要があり、脳内に電極を刺入した生体マウスの血管に色素を注入し、血流イメージングと神経活動記録を同時に行う。次に、脳梗塞のような虚血時に、脳内における血管運動がどのように影響されるかを調べるために、強力な血管収縮剤であるエンドセリンを脳内局所投与し、脳梗塞を人為的に誘発する予定である。さらに、血管運動を人為的に制御し、血液灌流を促進させるために、オプトジェネティクスにより光を照射して血管操作をしつつ、血流動態を測定する。その上で、脳梗塞時の梗塞巣、および梗塞巣周辺部位(ペナンブラ)における血管運動を観察する。血管運動が減弱していれば、特定の周波数を持つ視覚刺激、またはオプトジェネティクス血管光操作により、血管運動を亢進させることを試みる。血管運動を亢進させることができれば、脳梗塞からの機能回復が促進する可能性がある。そこで、脳梗塞後に血管運動を人為的に賦活化し、脳梗塞からの機能回復が早まるかを、マウスを用いた行動実験により検証する。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)