Project/Area Number |
22KJ0367
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Project/Area Number (Other) |
21J20875 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 60020:Mathematical informatics-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
加納 伸一 筑波大学, 理工情報生命学術院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 対称錐計画問題 / 半正定値計画問題 / Chubanov法 / 射影-スケーリング法 / 面的縮小法 / 射影-再スケーリング法 / 面削減法 |
Outline of Research at the Start |
実社会の意思決定支援で用いられる数理最適化の対称錐計画問題は、実行可能内点解が存在しない場合に求解が困難になることが知られている。また、実行可能内点解が存在しない錐線形計画問題を、実行可能領域を変化させずに実行可能内点解が存在する問題へと変換する面削減法も存在するが、この手法は数値誤差に弱い。 そこで本研究では、対称錐計画問題の内点解の存在を素早くかつ正確に識別できる改良Chubanov法を提案し、提案手法を用いて面削減法の数値誤差に対する弱点をカバーできるかを検討することで、対称錐計画問題を安定して解くための手法の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、1.改良Chubanov法を対称錐計画問題へと拡張、2.提案手法の性能を数値実験により確認、3.他のアルゴリズムと組み合わせて活用、という3つの段階で提案手法の有用性を検討することである。
令和3年度は、提案手法の理論構築及び実装を行い、上記の1と2の目標を達成した。令和4年度は、上記の2と3の目標に向けての研究活動を行い、提案手法は商用ソフトよりも計算機で上手く解けないとされてきた悪状態の問題に対し、実行時間では劣るものの解の精度で勝ること、さらに、提案手法を内点法(多くのソフトで実装されている対称錐計画問題に対する解法)の後処理として用いることで、効率的に精度の良い解が得られる可能性が高いことを確認した。これらの結果を受け、令和5年度は、内点法に対する提案手法を用いた後処理アルゴリズムの理論構築と実装を行い、SDPLIBと呼ばれるベンチマーク問題集を用いて、その性能を確かめる実験を行った。実験結果から、提案する後処理アルゴリズムを用いることで、従来のソフトだけでは求めることが困難な精度の良い解が安定的に得られることを確認した。また、精度の良い解を求められる手法としての観点から、本研究が安定した面的縮小法の実装に貢献できる可能性を示し、小規模問題に対する予備的な数値実験から、その可能性を確認した。面的縮小法とは、計算機で解きにくい悪状態の錐線形計画問題を計算機で解きやすい問題へと等価に変換する手法であり、微小な数値誤差に非常に弱いことが知られている。
提案した後処理アルゴリズムの理論、その数値的性能及び安定した面的縮小法の実装に役立つ可能性を示した計算機実験の結果をまとめた論文は現在投稿中である。また、作成した後処理アルゴリズムのプログラムは一般に公開している。
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