Project/Area Number |
22KJ0370
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Project/Area Number (Other) |
21J21888 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 16010:Astronomy-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大滝 恒輝 筑波大学, 理工情報生命学術院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 天文学 / 宇宙物理学 / 銀河形成 / 銀河進化 / ダークマター / ハイパフォーマンスコンピューティング |
Outline of Research at the Start |
銀河形成の標準モデルであるコールドダークマターに基づく階層的構造形成論によると、銀河には恒星質量の約100倍以上のダークマターが存在していると考えられている。しかし最近の観測により、ダークマターをほとんど含まない銀河(ダークマター欠乏銀河)が20個以上発見され、標準理論に大きな影響を与えた。本研究では、ホストハロー内を運動するダークマターサブハロー同士の衝突現象を解析し、ダークマター欠乏銀河の形成過程を調査する。高い精度を持つ銀河形成シミュレーションコードを開発することで、ダークマター欠乏銀河や衝突銀河の観測的性質と比較し、衝突誘起による銀河形成モデルの構築を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究はダークマターをほとんど含まない新しい銀河種族である「ダークマター欠乏銀河」の形成過程を解明することを目的とする。標準的な銀河形成論では、コールドダークマターの塊の中から銀河が誕生し、銀河全体の約90%以上をダークマターが占めていると考えられている。そのため、ダークマターの割合が全体の50%以下であるダークマター欠乏銀河は、標準理論における多くの銀河と相反する存在であり、大きな謎の一つとなっている。 本研究では、大質量銀河内を運動するダークマターサブハロー同士の衝突現象が矮小銀河を誘発的に形成するモデルに着目した。サブハロー衝突現象の解析的モデルを構築し、衝突するサブハローの質量やその相対速度に応じて、ダークマターを多く含んだ通常の矮小銀河やダークマター欠乏銀河を形成するための条件があることを導いた。さらに、ダークマターサブハロー同士の衝突過程や銀河形成の物理過程を詳細に調査するため、東京大学に設置されているスーパーコンピュータWisteria/BDEC-01を用いた三次元の銀河形成シミュレーションを実行し、サブハロー衝突によってダークマター欠乏銀河が形成されることを示した。次に、ホストハローが力学平衡状態であると仮定した解析的モデルから、サブハロー衝突現象が起こる位置や相対速度の確率分布を導き、衝突頻度の推定を行った。また、マルチGPU向けの高精度軌道積分コードを開発し、筑波大学が所有するスーパーコンピュータCygnusとPegasusを用いて、コードの性能測定やサブハロー同士の衝突回数の測定を行った。 これまでの研究成果は、2023年8月にイギリスの王立天文学会月報(Monthly Notices of the Royal Astronomical Society)に掲載された。これまでの研究成果は、既に国内の研究会や学会、および国際会議で報告している。
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