Project/Area Number |
22KJ0452
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Project/Area Number (Other) |
22J10620 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 13030:Magnetism, superconductivity and strongly correlated systems-related
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
岩崎 龍太 埼玉大学, 理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | スピン軌道モット絶縁体 / Kugel-Khomskiiモデル / フラーレン化合物 / 第一原理計算 / 平均場理論 / 古典モンテカルロ法 |
Outline of Research at the Start |
多軌道強相関系では電子のスピン自由度と軌道自由度の協奏により生じる物理に注目が集まっている。その一方で、クーロン相互作用やスピン軌道相互作用などの電子間相互作用を正確に扱った上での物質に即した解析は、自由度の多さゆえに困難であった。 本研究では、強相関極限下においては局在モデルへの還元により電子間相互作用の正確な取扱が可能であることに注目した。そして第一原理計算に基づくモット絶縁体の局在有効モデルを用いることで、スピンと軌道自由度の協奏により初めて現れる多体効果の理解を目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度に構築した局在有効モデル構築・定量解析手法の現実物質への適用と、フラーレン化合物のt-Jモデル構築を行った。前者については、現実のモット絶縁体であるκ-(BEDT-TTF)2Cu[N(CN)2]X(X=Cl,Br)に適用し、特に磁気構造に注目して解析を行った。この物質は層状であるが、層間の局在スピン間相互作用が磁気構造に影響を与え、X=ClとX=Brとで異なる磁気構造となることが先行研究の実験で指摘されている。そこで、局在有効モデルの構築・解析枠組みを応用することで、両物質における異なる磁気構造の微視的起源解明を目的に解析を行った。解析の結果、1つの可能性として、層間のアニオンを媒介する高次の電子遷移過程によって両物質の磁気構造の違いが生じることがわかった。 後者については、フラーレン化合物ではフント結合が反強磁性的であることに起因して、同一軌道内電子の二重占有(ダブロン)が活性化し、1体軌道モーメントがゼロであるのに対してダブロンの軌道モーメントが有限となることがわかっている。最近ではフラーレン超伝導体に対する電子およびホールドープ効果も実験的に解析がなされている。強相関電子系におけるドープ効果は、銅酸化物に対してt-Jモデルを用いて解析が行われてきたことに着想を得て、フラーレン化合物に対するダブロン軌道自由度をもつt-Jモデルの構築を行った。モデル構築にあたり、前年度で確立した有効モデル構築手法を、電子数の異なるモデル空間を扱うことができるように拡張した。現時点ではモデルの構築までが完了しており、モデルの解析は今後の課題である。
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