Project/Area Number |
22KJ0461
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Project/Area Number (Other) |
21J20498 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 32020:Functional solid state chemistry-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
磯辺 篤 千葉大学, 融合理工学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 超分子ポリマー / トポロジー / バルビツール酸 / 水素結合 / 湾曲 / フォールディング / 速度論 / 超分子多形 |
Outline of Research at the Start |
本申請研究は、直径20 nm程度の螺旋やリング構造へと自己集合するモノマーと光応答性モノマーを超分子共重合させ、ナノスケールでトポロジー制御された光応答性超分子ポリマーの構築とその動的構造制御を目的とする。主鎖が指向性の高いπ-π相互作用から形成される従来のπ電子系超分子ポリマーは剛直なカラム構造であるため、得られる機能はモノマー物性の変調や繊維状集合体の絡まりによるゲルの形成などのマクロスコピックなものに留まっている。光によって可逆的に主鎖のトポロジーを変化させられる超分子ポリマーを実現できれば、主鎖のダイナミックな構造変化に基づく動的な機能をもつ超分子材料の開発の糸口となりうる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、バルビツール酸が修飾されたπ共役系分子から高濃度で超分子ポリマーを得るための新規重合法の開発と湾曲性超分子ポリマーのフォールディング過程の調査に取り組んだ。 研究内容1:所属研究室の旗艦分子であり、ラセン超分子ポリマーを形成するモノマーは、精製過程で結晶性多形体へと自己集合してしまい、重合を行う溶媒に難溶であった。多形体の形成に由来する難溶性を克服する手法として製剤研究の分野で着目されているコフォーマー法に着目した。コフォーマーは、難溶な多形体を形成する分子と共会合し、結晶化を抑制する分子である。本研究では、コフォーマー分子としてラセンポリマーを形成するモノマーのπ共役部位にメチル基を1 個導入した分子を合成した。設計したコフォーマー分子は、バルク状態で不定形の凝集体を形成し、高い溶解性を示した。これら2分子を混合した溶液を乾燥させて薄膜を作製すると、難溶な結晶性多形の形成が抑制され、分子の溶解性が劇的に向上し、ラセン超分子ポリマーを高濃度で得ることに成功した。この内容に関しては、Angewandte Chemie誌に投稿し、プレスリリースを行った。 研究内容2:上述のラセン構造を形成するモノマーのπ共役部位を構成する芳香環の配列を組み換えた分子は、温度制御による超分子重合により高温領域で直線状超分子ポリマーを形成し、室温まで冷却すると直線状超分子ポリマーが湾曲性超分子ポリマーへと構造転移することを顕微鏡観察および小角X線散乱測定により見出し、この構造変化が温度に対して可逆的に起こることを実証していた。本年度は、直線状超分子ポリマーの主鎖が湾曲性超分子ポリマーへ直接フォールディングすることを分光学的に明らかにした。また、高濃度での溶液を調製すると、湾曲性超分子ポリマーは粘性液体であったが、ポリマー主鎖が高温でアンフォールディングするとゲル化することが明らかになった。
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