植物由来モノテルペノイドインドールアルカロイド類の生合成模擬的な集団的全合成研究
Project/Area Number |
22KJ0464
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Project/Area Number (Other) |
21J20696 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 47010:Pharmaceutical chemistry and drug development sciences-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
坂元 寿輝弥 千葉大学, 医学薬学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | モノテルペノイドインドールアルカロイド / バイオインスパイアード反応 / 全合成 / ストリクトシジン / セコロガニン / イリドイド / 天然物化学 / 有機合成 / 医薬品化学 |
Outline of Research at the Start |
モノテルペノイドインドールアルカロイド類は古くから民間伝承薬や狩猟毒として利用されてきた高等植物より見出される天然有機化合物の一群である。本アルカロイド類はすでにその総数が3000種を超えるとされており、その多くが顕著で有用な生物活性を有することが報告されていることから新規医薬品候補化合物の探索における有用な資源であるといえる。本研究では、これらアルカロイド類の構造多様性を生み出している生合成変換に着目し、これを参考とした「バイオインスパイアード反応」を利用することで、有機合成によって共通の合成経路から多様な天然物を供給することを目的としている。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、ミトラガイナ属アルカロイド類、ガイソシジン型アルカロイド類、β-カルボリン型アルカロイド配糖体類、ヘテロオリゴマー型イリドイド配糖体類の合成研究を行った。新規鎮痛薬としての期待が高まっているミトラガイナ属アルカロイド類の合成には、昨年度に報告したコリナンテイン型アルカロイド類の合成法を応用した。すなわち、4-メトキシ-(R)-シアノトリプタミンとセコロガニン誘導体を用いたジアステレオ選択的Pictet-Spenler反応、バイオインスパイアードな骨格変換を鍵工程としてミトラガイニンを含む3種のアルカロイドの合成を達成した。モノテルペノイドインドールアルカロイド生合成における第二の中間体であるガイソシジンの合成では、提唱されている生合成経路とは異なる独自考察した経路を実証し、ストリクトシジン誘導体から天然物アポガイソシジンを経由して全合成を達成した。また、前駆体となるセコロガニン誘導体を用いて骨格変換を行ったのちに、分子内でのPictet-Spengler反応を行うことで、ガイソシジンC3位における擬異性体であるビロカリンAを合成することにも成功した。β-カルボリン型アルカロイド配糖体類の合成では、シアノトリプタミンを利用した化学をさらに発展させることで単工程での天然物供給を目指した。すなわち、シアノトリプタミンを用いたPictet-Spengler反応ののち、シアノ基の脱離を引き金とする自動酸化により共役系の広がったβ-カルボリン構造を構築することに成功した。本合成では市販品から13工程以下で一挙に5種のβ-カルボリン型アルカロイド配糖体類を供給可能である。また、これまで行ってきたセコロガニンを起点とする生体模倣合成を応用することで、分子量1000を超えるヘテロオリゴマー型イリドイド配糖体類の合成にも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度はこれまでに引き続き、生合成を模倣した天然物群の樹形図型の合成を行った。本年度において合成を達成した天然物の総数はモノテルペノイドインドールアルカロイド、ヘテロオリゴマー型イリドイド配糖体類を含め計17種であり、うち12種は世界初の全合成である。また、これら天然物のすべては共通の合成中間体から誘導を行っており、当初掲げていた「天然物の樹形図型合成」を達成できていると言える。前年度までに合成した天然物と合わせた独自の天然物創薬ライブラリーの構築も進んでおり、現在進行形で生物活性スクリーニンングを展開している。中には有用な生物活性を示す天然物、及びその誘導体も見出されており、構造活性相関研究を展開中である。以上のように、当初の予定通り、新規医薬品候補化合物の探索に向けた天然物供給を進展させることができているため、おおむね順調に進展しているとさせていただいた。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、モノテルペノイドインドールアルカロイド類を基盤とする天然物創薬ライブラリーの幅を広げるためには、ストリクトシジンに続くさらなる樹形図の根あるいは節点の創生が必要である。当初は、ストリクトシジンから生合成される第二の中間体であるガイソシジンを次の節点として設定していたが、現段階におけるガイソシジンの総工程数は11段階と、その先の派生を展開する上では工程数に課題を残している。そこで令和5年度は、ガイソシジンの構造から着想を得た「擬天然物」を樹形図の新たな根として設定する。すなわち、ガイソシジンのN4-C21結合を意図的に結合させていない誘導体を合成し、酸化的分子内環化を鍵としてサルパギン型、アクアミリン型、ストリキノス型、エクエルシニジン型、マバクリン型の複雑骨格アルカロイド類の樹形図的派生を試みる。アクアミリン型アルカロイドについてはガイソシジンからの直接的な合成は未だ報告されていないものの、適切に修飾した擬天然物を用いることでこの問題を克服できる可能性がある。また、構築した天然物創薬ライブラリーの中から有用な生物活性が認められたものについて、引き続き構造活性相関研究を行い、新規医薬候補化合物としての価値を見出したいと考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)