Project/Area Number |
22KJ0497
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Project/Area Number (Other) |
20J22063 (2020-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2020-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 46010:Neuroscience-general-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中溝 真未 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2022: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2020: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 行動抑制機構 / 神経基盤 / 侵害受容 / ショウジョウバエ / 行動 / 抑制 / 神経回路メカニズム / 逃避行動 / 抑制機構 |
Outline of Research at the Start |
動物は様々な行動を時に開始し時に停止することで、変化し続ける環境において最適なふるまいを実現する。本研究は、ショウジョウバエ幼虫の逃避行動の制御をモデルとし、行動を停止するメカニズムを解明する。ショウジョウバエ幼虫は侵害受容ニューロンにより刺激を受容すると、即座に回転運動を開始するが、数秒後に停止し、高速前進運動を開始する。この回転運動停止の分子・神経メカニズムを行動解析や光遺伝学、カルシウムイメージング法を用いて網羅的に解析する。また、個体の生理状態に依存した調節にも着目し、行動の優先順位の決定機構にも迫る。
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Outline of Annual Research Achievements |
動物は様々な行動を時に開始し時に停止することで、変化し続ける環境において最適なふるまいを実現する。これまで行動を開始する神経メカニズムは様々な実験系で明らかにされてきたが、行動を停止するメカニズムはほとんど理解されていない。そこで、本研究は、行動を停止するメカニズムを解析するために、ショウジョウバエ幼虫の逃避行動の制御をモデルとした。ショウジョウバエ幼虫は強い機械刺激などの侵害刺激を侵害受容ニューロンにより受容すると、即座に回転運動を開始するが、数秒後に回転運動を停止して高速前進運動を開始する。本年度においては、我々が同定した、ショウジョウバエ幼虫の中枢から末梢へと情報を伝えることにより回転運動を抑制するニューロン群(SDGs)が逃避行動を制御する仕組みをまとめ、海外学術誌(Nature Communications)へ発表した。さらに、研究計画の通り、カルシウムイメージング法や、光遺伝学、熱遺伝学を用い、回転運動停止の制御メカニズムに迫る中で、逃避行動が生理状態に応じて柔軟に変化する神経基盤の実態を掴むことができた。具体的には、本研究において確立した行動実験法を用い、SDGsの神経活動を抑制し、その上で幼虫に糖を再摂食させたところ、糖の再摂食依存的な痛覚抑制が見られなくなることがわかった。 本研究により明らかになったSDGsは、多様な感覚情報を統合する脳領域に存在するため、個体の栄養状態に限らず、外的環境への応答も含めて痛覚制御を担う可能性が示唆される。また、ハエのSDGsの機能がヒトの痛覚制御系の一部と類似していることから、本研究は疼痛治療法や鎮痛薬の新規開発に寄与する可能性がある。
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